冬のキノコ
「フユヤマタケ」と云うキノコがある。
漢字で書くと「冬山茸」、その名の通り、冬に顔を出すキノコ。
「シモフリヌメリガサ」の小型を指すらしく、両者は同一種なのだそうだ。
私の知る冬場の山ネタはそんなに無いので、
今年は何回か、この小型キノコを探しに出向いてみた。
大きなものでも、開いたカサが4センチ前後。 大抵は1~3センチほどしかない。
こんなサイズのキノコを落ち葉の中から探すのは、少々ホネが折れる。
ソレっぽい場所で、ジックリと探すと、ポツリと生えている。
一つ見付かると、同じ場所に数本は出ている事が多いので、
ソロリ・・と落ち葉を手で退けたりして。
葉っぱの下から顔が見えると 「おお! やはりあった!!」 って独り言を(笑)。
サイズ的にも華奢なキノコなので、手荒くすると、本体ごと枯れ葉とともにサヨウナラ。
一箇所で数本見付けてから、さて、移動するかと立ち上がると、
実は自分の足で踏ん付けていたりする(涙)。
開けた場所で、並んで頭を出してくれていれば、探すのも楽なのだが。
こうした場所は他の人も同じく採りに歩くので、週明けが休日の私が出向いても、
既に遅し、なんてことも多い。
なので山肌を覆う枯葉や枯草が多く、人が敬遠しそうな場所を選んで。
数を拾っても、小ささゆえ質量が少ないこの獲物は、とりわけ慎重に。
本体を踏み付けるのがコワイので、歩く際にはヘンな緊張感まで持つハメになる。
一種の「神経の消耗戦」みたいな感覚だ。
キノコでなくても、虫や草や、諸々を踏み分けて歩くのは薄々は承知。
こんな機会に、普段の山歩きが、自分でも結構荒っぽいんだな・・なんて認識したりして。
それにしても、色・大きさ・太さ・・etc 結構な個体差があるようだ。
画像だけでは中々見えない、解らない。 そして実物を見ても、やはりよく解らない。
実は実は、違うヤツも混じってるのかも??
これで5センチ弱ほど。 この種のキノコとしては、今年私の見た最大サイズ。
ここまでの大きさなら、見落とさない♪ ・・と言いたいのだけど。
落ち葉に隠れていて、しかも色が地味なので、
腰を落として歩かないと、山中では中々気付かない。
実際、緩やかな斜面を往復して、ようやく見つけた固体だ。
「犬も歩けば棒に当たる」と言うように、とにかく山肌を歩くと、
“本命?”も勿論、また別種にも出会う。
12月も半ばを過ぎても、秋のキノコも少しは残っているようだ。
寒風が沁みる冬。
小雪も舞い、木々の緑は薄れ、やや寂しさも感じる。
「山歩き」が好きでなければ、出向く気には成らないかもしれない。
このマニアックなキノコのお陰で、今年は随分と楽しい運動が出来たように思う(笑)。
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