キノコ採り
渓流釣りを趣味とする私は、10月になると視線のメインが川から山へと移る。
それはこの時期ならではの楽しみ、キノコがあるから。
そんなに良い種でなくても、所謂“雑”キノコを探して山を徘徊するのは何とも楽しい。
と言っても、私自身はキノコは若葉マーク。
ほとんど初心者同然程度の知識しか持っていない。
それでも山の植生に注意が向いたり、また標高や日照、斜面の角度や方向‥等、
以前にはあまり意識しなかった事柄にも興味を持つようになり、
一層山渓遊びが楽しくなったのは確かのように思う。
渓流釣りとキノコ狩りの両方をされる方たちから、
「釣りよりもキノコは面白い」「秋口は竿を出してる場合じゃない」・・
そんなお言葉を聞いてはいた。
しかし未だ私は、9月までは竿を仕舞うことはなく、またキノコのほうが面白い・・のかも解らず。
今後もやはり釣り馬鹿の私は、9月までは釣りメインで過ごしそうな・・?
ただここ数年は梅雨明けあたりから、入退渓の際、山肌に目が行くようになってきた。
以前から山菜採取が好きで、山も見てはいたのだけど、それとは意味が違う。
上手く表現出来ないが、山菜の際よりも、キノコはもっと“繊細で複雑な感じ”。
何しろ奥が深そうな気配がある。
そこで釣りが9月で終わってからは、暇を見つけては、山をゴソゴソ。
渓流と違って、割と近所の山にもキノコはあるので、尚更都合が良い。
「キノコ目」なんて言葉があるらしい。
これは風景の中にキノコがあっても、「見ようとしなければ見えない」のに、
「探そうとすると見える」ところから来ているのだとか。
確かに、以前は子供とクワガタを捕りに山に入っても、キノコをそんなに見た覚えがないのに、
最近では山に入るたびに何がしかの発生に出会う。
ちなみに、マツタケ等の「高級なキノコ」をメインで採る人は、雑キノコは目に入らないのだそうだ。
“高級キノコ目”と言うのだろうか?
いずれにしても、何かのキノコを見つけたとしても、採取するには知識も必要になる。
怖い毒キノコもあるし、食べて美味しいキノコも。
観察するだけでも十二分に面白いとも思えるが、『採取』の楽しみがあるのがまたイイ。
良くわからないキノコを写真だけ撮ってきて、図鑑なんかで照合しても、
名前すら判別出来ない種もザラにある。
食えそうに見えて、実はキツイ中毒の出る種だったり・・
この難しさが今までキノコに手が出なかった理由なワケだけど、
好奇心旺盛な性格が手伝って、近年ほんの少しづつ採取できる種類を増やしている。
慎重に、大丈夫そうなヤツだけ選んで採ってきて、調理して一杯、なんてのも贅沢なもの。
覚えるのも、採取するのも楽しい。 そして食べると美味しいとなれば、これはやるしかない。
今年は夏以降雨が少ないので、キノコの状況は良くない様子。
もうしばらく、今年も秋の山の恵みを楽しみたいと想う。
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