冬山散策
忘年会のお誘いを頂いた。
場所は、長野県の塩尻。 もう何年続いているだろうか、山川遊びの仲間の、年に一度の集い。
これは行かずには居られない。
国道19号を走り、岐阜県境から北上する・・ルートとなれば。
良い機会でもある。 それは山渓巡り。
渓流釣りシーズン中、木曽川水系をメインの一つとしている私は、
竿が出せない禁漁期の今は、見知らぬ林道なんかを探して徘徊するには都合が良い。
来年以降の楽しみを増やす為、それにあわよくば、初冬のキノコも見付けられないか?‥等、
山を歩く理由は幾らでも出てくる。
しかし。
国道を離れて細い道に入った途端、行く手には積雪&路面凍結が。
カーブも多くて、ちょっと怖い。 ビクビクしながら、誰も来ない小道をゆっくりと進む。
木々は葉を落とし、冷たい空気の山肌は本当に静か。 所々で車を停め、山渓を歩く。
このシン・・とした景色が、寂しさを感じるような、しかしその雰囲気が私は好きだ。
雪面には点々と各種の獣の足跡がある。
沢筋に何かの餌を求めて来るのだろうか。
時折、静かに覗いた小谷に泳ぐ渓魚が見える。
歩を進めると、こちらに気付いてスッと岩陰に消えていく魚体。
姿が見えると、何だか嬉しくなる。 でも、驚かせてゴメンね。 また来年、機会があれば再会しよう。
沢筋を歩きながら、キノコが出ていないかと見てみるものの・・。
もう朽ちてしまったものばかりで、今回見回った周辺では、採取出来そうな種は見付けられなかった。
実は木曽地区に入る前、岐阜県側の山に寄り道して、少しばかりオミヤゲは採ったのだけど。
余談だが、木曽地区も他所と同じく、「入山禁止」「山菜採取禁止」等の立て看板が多い。
私が例年楽しみにしていた山も、今年から入山禁止になった。
理由を聞いてみたところ、
「余所から来た人が、希少な野草を根こそぎ採っていった」
「ゴミを捨てて汚していく人が絶えない」‥等。
ありがちなお話ながら・・・どうも・・なんだか寂しいことだとは想う。
とある林道の二股、左は入山禁止の看板が。 では右は?
しばし進むと、「キャンプ・焚火禁止」とある。
同じ山でも、こちらは普通に歩いたり、山菜やキノコを摘んでも大丈夫なのかな。
知らない場所を歩いていてトラブル、なんてのは勘弁だし。
木曽川漁協の管轄内なら、禁漁区を除けば、川の近くを歩くにはまず問題ないはず。
そんな事を考えながら、川を見つつ、山を見つつ。
入ったことの無い支流を散策し、釣りを想像するのも楽しいもの。
この為に、わざわざ膝下までの長靴履き装備で来た。
それにしても、「渓流」とは何とも良い。
「命の洗濯」とも表される通りで、その清冽な水に、心が洗われるような感覚がある。
大袈裟な言い方をすれば、自分には山渓が必要なんだ、な。
釣りが出来ない季節だからこそ、周囲をユックリと観察する余裕もあるような気もする。
あるいは、そんな目線でシーズン中を過せば、違う発見もあるのかも?
どうしても、竿を持ったら、釣り熱で目の色が変わっちゃうから。
薄っすらと雪化粧をした山を、「寒い」と言いながら歩くうち、何時しか汗ばんで上着を脱ぐ。
遠い山々は、その頂が真っ白。 今年は降雪が例年より早いように思う。
このまま雪が多ければ、来年は雪解けの頃以降から楽しく釣りが出来るかも?
または、融雪後の山菜が遅れるとか?
色々想像すると、今は寂しいはずの山肌に、不思議と生命感が宿っているのが解るような。
さて、そろそろ時間も時間。 宴会会場に向かう。
釣り、山菜、キノコ・・等、楽しみの詰まった世界で知り合った面々。
皆と呑み、食い、笑い、時間がアッと言う間に流れる。
こんな機会もまた、私には無くてはならないもの。
一人だけの趣味ではなく、そこをキッカケにして、楽しさの枠がどこまでも広がる。
楽しい一日だった。
様々なものに感謝して、早朝に目覚めて帰路に着く。
山渓遊びは、やはり最高だ!
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