父子二人旅 北海道道東遠征・1
昨年の秋に北海道に釣りに行った話を、長男(小5)に聞かせたところ。
分かり易い反応で、ヤツは自分も行きたい、と言い出した。
父と子、男旅は私の夢でもあった。
勿論釣り道具を持って。
私・「北海道に行ったら、何が釣ってみたい?」
子・「カラフトマス!」
へぇ~・・・!よくぞその名を即答したな。
だけど『鮭』だよ? 小学生が掛けたとして、上がるもんかな??
そしてこの日がやってきた。
場所は道東の忠類川。日本のサーモン・フィッシング発祥の地。
私自身、10年ほど前に挑戦して以来、これが2度目となる。
朝一番早々、瀬の流芯の切れかけるところで、ドン!と乗った。
「ビュゥゥー・・!」 魚が激しく暴れるたびにイトが鳴る。
んん~♪ コレだよ、コレ! 楽しいなぁ~!!
何て美しくて格好良い魚なんだ。
色合い、体つき、顔・・・見惚れてしまう。
このオスの背の盛り上がりと言い、鼻曲りと言い。
サイズと掛かった際の手応えもだけど、もう、素晴らしい!としか言い様がない。
よし、あっさりとカラフトマスとの出会いは叶った。
こうなれば、後は坊主にも何とか釣って欲しい。
何ヵ所か移動してみるも、どうも反応が無い。
最初の場所に戻ってみるか・・そして釣れそうな流れを坊主に教えて、後ろで様子を見る。
少し目を離した際、
「掛かった掛かった!! うぉ~~!!!」 と雄叫びが。
振り向くと、竿をグン!と曲げて耐えている。
よぉ~っし、よくぞ掛けた!
事前に教えておいた通り、肘で竿を抱えこみ、綱引き勝負に持ち込んでいる。
「全然上がってこないよ~!」 って、そりゃそうだ。頑張れ!!
これだけの大きな相手は、普段の遊び場で出会えるモンじゃない。
下流へ魚が走りそうになった時、後ろから手を添えて一緒に引きに耐える。
少し下流にはキツイ瀬が続いていて、そこまで下がられたら完全にアウト。
何としてもこの場所で止めねばならない。
あまり手出ししたくはないが、折角掛けた魚、何としても捕らせたい。
自分が釣ってる以上に興奮状態のお父ちゃん。
この手応えを体験させたかった。
上へ下へと走り回っていた魚が、横腹を見せた。
よし、そろそろスタミナが切れるぞ・・しかし次の瞬間、またも下流へダッシュ!
最後の抵抗だな?! ここを堪えれば獲れる!
すでに瀬頭が迫っている。余裕は無い!
数分の後、カラフトマスが浅瀬に横たわった。勝負ありだ。
よくやったぞ!
もう親子で大笑い。
これは嬉しすぎる。自分の釣果も勿論嬉しい。
そこに加えて、我が子の奮闘と、満面の笑顔を見たら、感情が倍増されて何重にも嬉しいんだ。
どうだ、野生の大型魚は凄いだろう。
出会えて良かったな。 よくも掛かってくれたよ・・。
この魚をリリースした後、ふと思い付いた。
で、嫁さんに電話。
坊主に携帯を渡して、「お母さんに報告するか?」
と言ったら、また嬉しそうな顔して「ありがとう!」だって。
男の子はママに褒められると喜ぶもんだからね。
さて、難解なミッションは無事クリアした。
続行と行きたいところだったのだけど、雨足が強まって来たので、一旦車へ退避。
どうしようかな、これは・・・。
私一人ならお構いなしでも、子供が風邪など拾ってもイカンし。
旅はまだ始まったばかりだ。
そしてこの後、車中で今しがたの武勇伝を熱く語る坊主。
「最初は石なんかに引っ掛かったと思ったんだ。そしたら動き出したから、魚だ!って分かったよ。全然上がって来ないんだよね!!」
そうかそうか、本当に良かったな。
その顔が見られたら、この旅はもう、大成功かもだ。
・・・続く。
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