翻弄される
ここ数日、暑さが幾らか和らいで、降雨も見られるようになってきた。
時期的に気の早い渓魚は秋めいてくるはず。
そうなると面白くなる反面、釣り場の選び方と、釣り方のセレクトがとてもシビアになる。
8月後半から9月にかけての夏と秋との境い目、この時期に毎年、「魚の居場所を見失う」と感じる事が多い。
「読み」が効かないと言うか、事前予想を当てる事が非常に難しいと感じる。
更に今年は降雨が少なく、猛暑・渇水が続いていて、この間に魚の移動が読めなくなっていた。つまり真夏のデータが少なくて、例年よりも魚の居所を掴み難くなってしまっている。
とは言え、魚が空飛んで何処かに行くわけでもないし。
「何か」を当てれば、目当ての渓魚に届く、はず。
今回はまさにそんな釣行だった。
ある淵でのこと。
右岸側からしばし狙うも、淵尻あたりでごく僅かな反応が2度ほど出たのみで、ポイントは沈黙・・。
水量等を考えると、魚がもっと反応してもおかしくないのに。
渡渉して、左岸から狙ってみた。がしかし、やはりサッパリ反応が無い。
ならばと渡り返して、もう一度右岸へ。
立ち位置を変え、手を変え、品を替え、数十分以上も経過した所で「コソッ」と何かが触ったような?
チビッ子でも来たかと思ったら、8寸ほどのアマゴだった。
何てまぁ・・言葉にするのが難しい、微妙なアタリだこと。
更に打ち続ける事数分。
さっきよりも更に微妙~~なアタリにアワセを入れると、ドン!
第一印象「細長い!」。
しばらくの間、何も食べてないのじゃないか?と言うほど痩せた個体だった。でも・・長さは十分あるし、これはこれで、出会えて良かった(^^)
この辛い反応と言い、魚体の痩せてることと言い、どうも例年のこの時期と具合が違う。
結局この場所で1時間以上も粘って、もう一尾追加して、やっと移動。
この日はほぼ平水だったが、2日前に降雨があり、河原の様子を見る限り、結構増水したようだ。夏の増水時に、魚がエサを摂らないなんて、あるのかな?
太って丸々とした魚も出るので、尚更不思議。
こちらは別の場所で出た、やはり「細長い」イワナ。
これまたちょっとした淵で、粘り倒して出会えた。
どうも素直に喰ってくれないと言うか、難しい展開だこと・・。
仕掛けのバランスとか、釣り方とか、立ち位置とか、色んな事を合わせてピンポイントを狙わないと釣れない、そんな感じ。
これらをマッチングさせる為に、粘りの釣りとなった。
以前何処だったかで、渓魚の飼育の記録を見た事がある。それによると、渓魚は水温が上がってくると、エサを与えても食べない、本当に絶食状態になるのだそう。
自然の中は水槽と同じではなかろうけど、酷暑の影響は少なからずあったのじゃないか。
人間でも動植物でも魚類でも、個体差があるはずで、暑さに強い、寒さに弱い、とかね?
釣れば釣る程に「謎」との出会いもまた増える(^_^;)
状況を考察して、答えを探すことが「釣り」であり、目指す成果が出る事は、考察が正解に近いことを示してくれる。
目指す成果のハードルは、超える度に上がり続けるので、何処まで行っても終わることは無さそう。
私の周囲でも、私より数段高いハードルを飛び越えてる人達が、何人も居て。
その人達は「初秋の頃に魚の居場所を見失う」ようなことが無いのかもしれない。
今回は「夏より」の魚が多かった。
それでも鱗の状態と色合いを見ると、秋が、つまりは彼らの繁殖期が近付いている。
先週の釣行で息子が釣ったアマゴは、秋色に染まり始めていた。
ならば私が今回釣った区間にも、反応しないだけの「秋色」が居たのだろう。
夏と秋の境の今、魚達の性格が変わり始める。
どうすれば釣れるのか。
その解を探すには、通うしかない。僅かなヒントでも、何か手に入れて、目的に近付きたい。
今回は多少でも事前予想が当てられた。
しかし、難しい・・・。。
「居ても喰わない」魚が増えるこれからの季節、より多くを観察し、次回に繋げようと想う。
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