魚の採点
10年ほど前の頃の仲間内で、釣り上げた魚に「点数を付ける」のが流行った。
「何のこっちゃ?」
と言われそうな、マニアックな話なんだけども、これが当時は面白くて(そして今でも、私の中では生きている価値観です)。
対象魚はアマゴ。
顔付き、肌艶、鰭の張り、太さ、長さ、色合い等と。
その個体の持つ迫力とか、野性味とか、美しさとか、そうした総合点を加味され。
最後に「出会いの感動」を足して、点数が決まる。
ちなみに最高点が90点に設定されて、100点満点!は無し。
100点の魚が出てしまうと、その後、それ以上に凄いアマゴが出た時に困るから(笑)。
当時は配点が決まっていて、確か、一項目につき10点だった。
今では点数を付けないにしても、個体観察は続けてきて。
現在の基準は、個体に60点、技術点と感動点に30点、くらいが私の配点。
技術点とは、厳しい状況になるほどに加点が増える。または、今までにないアイディアとか、新しい気付きが得られた時なども。
これはかつての仲間たちとの採点には無かった、私の新基準。
尺を超すサイズなのに、ヒョロッと痩せているとか。
サイズは9寸ほどでも、体高があり、筋肉質で厳ついとか。
この2尾が並んだ場合、後者が高得点だったりする。
この感覚がお分かりになる方、多いのじゃないだろうか。
「アマゴ」と一口に言っても、並べてみたらまるで別物、なんてことは、普通にある。
同一河川であっても全然違う個体が居るのに、時期が違い、更にフィールドまでもが違えば、違う魚かと感じるほどに姿形が違うのが、渓流魚(アマゴ)の面白さであり、魅力でもある。
一般的にサイズと釣果尾数は、誰が見ても等しく数値化され、それ自体は成果として、とても分かり易い。当然私も、それを否定するつもりなど全くない。
しかし渓流の釣りでは、「サイズでは言えない価値のある魚」が確かに居る。
大きな魚が印象に残り易いのは確かな事。
では、今年釣り上げた中で、自分にとっての一番はどの個体だったか?
または、過去に遡ってみて、思い出深いアマゴはどの個体だったか?
すると、サイズが大きい方に軍配が上がる、とは限らない。
また、印象に残った釣行を思い出してみると、大型が釣れた日ばかりでもなく、数多くの魚に出会えた日ばかりでもない。あくまでも私の場合は。
ではそれは何だ?
と自分で問うた時に、私的な「高得点」が得られた日、となるワケで。
当時の皆さんは、今はどうしておられるだろうか・・殆どのメンバーとは、もう疎遠になって久しい。
皆さん、
私は相変わらず、良い点数の魚(と渓流釣り)を追ってます。
いつかのまた皆で、魚の品評会をやりましょう。
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