転機の訪れ・思い出話
知人と話していて、ちょっとした昔話になりました。
人生の転機に関わることで、懐かしさから、記事にまとめることにします。
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今から約10年前「リーマンショック」が起こり、私の仕事も影響を受けました。
営業成績は下がり、強いストレスと不安を抱えて仕事をしていました。
・・で、精神状態が悪いまま休日を迎え、好きな釣りに行っても、どうも楽しくない、そして思うように釣れない。
精神状態の拙さが釣りのトラブルを呼び、大物をバラした日などはもう最悪・・。釣りの集中力が効いてなかったのです。あの年にバラしたアマゴ達のパーマークが鮮明に思い出せるほど(笑)。イトは岩に絡んで切れるわ、タモ入れ寸前でハリ外れるわ・・・・。
釣りの方は「スランプ状態」。しかし仲間内では相変わらず、誰それが大物釣ったとか、どこそこの川が好調だとか・・絶不調の私は聞いていて羨ましく想うばかりで、悶々としていました。
休日にスッキリしないから、次の日からの仕事が憂鬱で・・と、全てが悪循環に。
渓流の釣りを始めてから、この時ほど釣りが面白くなかった時は無く、また社会人になってから、この時ほど仕事が辛いと感じたこともなかったです。
今も良く覚えている、2009年の事です(画像の魚は2008年、リーマンショック前のアマゴ)。
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2009年の渓流釣りが9月に禁漁になって、しばしした頃、仕事の方はどうにか回復傾向が出てきました。
リーマンブラザーズの破綻から一年ほど過ぎる頃には、仕事のストレスは減少していきます。
仕事が再び上手く回り始め、そして2010年の渓流シーズンが始まりました。
友人と一緒に、6月第一週に釣りに行きました。
その時私が持っていたのは、8Mのシマノの本流竿で、中々の剛竿でした。
ポイントを前にして2投目のこと。
コツ!とアタリにアワセを入れたら、竿が一気に絞り込まれました。
その時の魚です。
当時の私は、尺クラス以上のサイズが掛かった際には、かなり慌てていました。冷静さが保てず、興奮状態だったのです。
それが竿の剛性が味方になり、非常にヤリトリに余裕を感じました。初めての感覚でした。
道具のバランスが噛み合うことで、こんなにも釣り人優位に魚と対峙できるとは。
この一尾が出てくれて、私の釣りは一変しました。
自分でも今も驚くのですが、この一尾から急に「釣れない気がしない」テンションになったのです。昨年のスランプは何だっかと言うほどに。(誤解の無いように書き添えますと、厳しい年も日もありますし、心折れそうになったことは、この後も幾らでもあります)。
今の自分の釣りの土台を作ってくれた、強く印象に残る出会いでした。
これ以降は使用する道具類も、そして釣りのリズムと言うか、向き合い方が違ったものになりました。
この魚が2010年のシーズン最大魚。出会ったのは8月のお盆明け。
竿は先と同じ8M本流竿。
昨年の私では掛けられなかっただろうし、掛けてもまず上げられなかった魚。
どうにも「怪しいポイント」で、何度打っても反応が無く、上流側に立ち位置を移し、送り込んだ仕掛けにドン!
この頃はまだ竿の溜めが上手く出来なくて、走り回って最後は川に飛び込み、ずぶ濡れで取り込んだ、思い出に残る一尾。
大型渓魚を竿の弾力で抑えるには、自分の道具の強度を理解する必要があり、理解するためには、数を釣るしかない。そしてその度に「慣れ」てきて、竿捌きの技術が向上する。
その回数が急増した、とても良い感触のシーズンでした。
別所で書いていたブログを止め、ここを開設したのも2010年(開始は渓流シーズン後)。
2008年に2人目の子供が生まれ。
2009年の仕事の不調が復活してから、職場を辞め、独立しようと考えたのも同じ時期です。子供が2人になって、将来を今まで以上に考えるようになった、その一つの結論でした。
2008年~2010年の間は、家族が増え、仕事の流れが変わり、趣味の渓流釣りが変わりました。
私の中では、人生の転換期だったのだと想っています。
2010年6月に一尾の魚と出会い。
その後のシーズンは好調で、仲間との情報交換が楽しく、そして新しい仲間が増えました。
休日が楽しいので、仕事にも良い影響が出て、日々が楽しかったです。この事は後の独立に弾みを付けてくれました。
今思い返しても、あの友人との同行時。
私は現地でクロカワムシを捕るつもりでした。ところが小さな虫しか捕れなくて、同行の友人が持っていたミミズを分けて貰って使ったのです。
この頃の私は、川虫が8~9割、ミミズなどの市販エサは時折しか使いませんでした。
残念ながら、この時の友人とは事情様々に、今は疎遠です。
魚との出会いで人生が変わるとは、大袈裟と想われる方が居られるかもしれないです。
ですが私にとっては、物凄く大きな出来事だったのです。
あの日を境に、私を取り巻く様々なものが、大きく変わったのですから。
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