サーモンピンクについて
以前から疑問に感じていたお話。
鮭科魚種は白身魚で、身が赤くなるのはアスタキサンチンを摂取するから、と言われています。
エビやカニなどの甲殻類に多く含まれ、マダイなどは体表近くに、鮭科魚種は身にその色が着くのだそう。
ちょっと・・古くてしかもあまり綺麗な画像じゃないのですが。。。
これは数年前、2月に岐阜県長良川水系で釣った「シラメ」です。
サイズは22~3センチ、くらいでした。
アマゴと比して、身が赤いです。
胃袋の中は極小の昆虫類が一杯でした。
甲殻類を飽食してる様子は無く、釣った場所にはサワガニくらいしか甲殻類は見ません(私が知らないだけで、居るかもしれないですが、胃袋からは発見できていません)。
こちらは本家の「鮭」です。
なるほど、先のシラメと比べると、赤の濃さが違いますね。
富山県小川産の、海から帰ってきたばかりの個体です(シーライス付き)。
養殖サーモンはこんな色合いですから、与えられるエサの関係なんでしょうか?
これは我が地元、岐阜県土岐川水系で、ウチの長男が釣ったニジマスです。
釣り大会なんかの残り物が成長したのでしょう。50センチ弱くらいのサイズです。
富山の鮭に近い色と見えます。
地元河川には確かに、エビ・カニ類は居ります。
ですが先のシラメと同様、胃袋から甲殻類は出てこないですし、細かい昆虫類と、鯉科?と思しき小魚が2匹でした。
海の鮭と比して、身の色を変えるほど川の魚が甲殻類を捕食してるかと考えると、少々疑問が残ります。
時折ニジマスを捌いてみると、長男が釣った個体のようにサーモンピンクの身の色の個体と、白身の個体が居ます。これも以前から不思議でした。
大型になるほどに身の赤さが増すようなイメージですが、色素が蓄積されるから、なのかな。小さくてもピンクの身のニジマスは見覚えがないです。
昆虫類から赤の色素を取り込んでいるとしたら、大型のイワナやアマゴの身の色も濃いピンクになりそうですが、そうはなっていないようです。
陸封魚と違い、サツキマスもサクラマスも、海育ちの魚は身の色が赤いです。
鮭は河川に遡上して(または遡上前から)エサを喰わなくなると、身の色が白くなります。
これは体表の婚姻色とイクラの着色に、アスタキサンチンの赤が移動するのだそうです。
画像がないのですが、私が7月に釣ったサツキマスは、まだ身の色が赤かったです。
サツキマスは胃袋の中が殆ど空で、少量しかエサを摂らない魚と認識しています。
少なくとも川に帰って来てから、甲殻類を爆食いしてはいないでしょう。
それでも身の色は濃い赤のままです。
鮭と同様に、婚姻色の時期になると白身になってるのでしょうか?
ちなみに夏の東北のアメマスを贈って頂いたことがありますが、身の色は赤かったです。
近年、渓魚を持ち帰ることが少ないので、こうした観察が出来ていません。
海魚ではアスタキサンチンの効果は確かなような気がします。
それでは河川の魚達の身の色は、どう説明できるだろうか?
ちなみにダム湖産のサツキマスも、海遡上程ではないですが、やはり身の赤みが増します。前述のシラメがアマゴより赤い身をしていることと、無関係ではないように想えます。彼らは海には行かない(行けない)ですが、シラメにはなりますから(シラメにならない個体も居ます)。
ところがイワナはダム湖に入ってもアメマス化するとは限りません。何故なんでしょう。淡水育ちで身の赤いイワナは見たことが無いです。以前はよく刺身にしてたのですけどね。
淡水の魚は、どこからアスタキサンチンを仕入れてるのか?
また、サーモンピンクに染まる魚と、白身のままの魚は、何がどう違うのか?
これらは積年の謎の一つです。
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