« 2021年1月 | トップページ | 2021年3月 »

2021年2月

2021年2月26日 (金)

オス♂の鼻先&メス♀の尻鰭

渓流魚(アマゴ)に私は2点、強く惹かれるパーツがあります。…と言うより、特徴的パーツを持つ魚体に惹かれる、ですね。

 

まずはオスの顔付き。鼻曲りです。

Dsc_1bam2

この格好良さはもう、鳥肌が立ちそう。

 

これは繁殖期に他のオスと闘う為の、形状変化。

咀嚼しない渓魚には鋭い歯は必要なさそうなんですが、牙も生えますね。それでメスを巡り、大きな口で噛み付きあって喧嘩します。

この時は体の大きな個体が基本勝ちますから、繁殖シーズンまでに強く育った魚が沢山の子孫を残せるのですね。

 

 

個人的な感覚ですけど、クワガタでもカブトムシでも、子供の頃はメスよりオスの方が捕れると嬉しかったです。家でペアで飼育するなら、雌雄欲しかったですけどね。

男の子的には、強そうで格好良いと想うのは、オスの方じゃないかな? 鹿にでも猪にでも、それは私は今も感じます。

渓流魚の成熟したオスには、これに似た感覚があるんですよね。

Fb_img_1612434299916

早熟な若いオスアマゴだと、鼻が曲がるところまではいかなくて、やや尖った口先になります。

これが2年、3年と歳を経ると、それはそれは厳つい。

顔付きだけではなく、同じ環境なら、サイズが大きくなるほどに渓流魚の強さが増すのは確かな事です。

(鮭科の魚は他種でも形状変化は起きますが、今回は省略します。)

 

 

もう一点、メスにも特徴的なパーツを持つ個体が居ます。その一つが尻鰭。

0sdo2

先端が尖って長伸びしています。

このタイプに秋以外に出会えると、とても嬉しい。

 

これは尾鰭で産卵床を作る際、産卵に適した深さまで掘れたかを測るために、川底に鰭先を当ててるようですね。

その作業は全てメスが担い、オスは脇で観てるだけ。この時オスは、他のオスの乱入を防ぐために、周囲を警戒し、追い払い、闘っています(実際には産卵時に乱入されたりしますが)。

 

オスはこのために形状変化しますし、メスは産卵の為に形状変化するのですね。未成熟な段階では、性質も形状も、雌雄に大きく目立つほどの差は見受けられません。

つまりオスもメスも、形状変化がハッキリと起こるのは成熟して行動変容するから。そしてその変化はサイズが増すと顕著になります。

 

Fb_img_1649160257252

産卵後は殆どの良型アマゴは死んでしまうはずなんですが、生き延びる個体が居る。

メスは尾鰭が産卵床を掘る際に欠損し、季節が進むとその傷が回復してきますが、傷痕はあります。これらの痕跡もまた魚体のサイズが大きくなるほどに顕著。尻鰭は伸びたままで縮みませんし、一度成熟した特徴は、翌年にも残っています。

0ega4

こうした特徴的な個体を観察しながら、魚について学ぶことで、その姿の意味が理解できてきました。

 

産卵回復個体では、30㎝を超すサイズはレア度が高い(特に春先)。

これらは前年の産卵時にすでに尺クラスか、それに近い良型のはずです。つまりその翌年に出会えるこのタイプは3年魚以上の個体。アマゴは雌雄共に3年魚以上は全体数からすると少ないのです。

 

2年で成熟した尺アマゴは、前年秋に沢山の卵を産んだでしょう。

卵塊が大きくなった秋の大型アマゴは、内臓が収縮し、エサをほとんど食べません。なので若魚と違い、沢山食べて体力を付けられないのです。

産卵で体力を使い果たし、尾鰭が傷付いて遊泳力が落ちた体。

回復しようにも、食べるエサの少ない冬が来ます。これでどうして春を待てるのでしょうか? ですが一部の個体は翌年、流れに現れる。

そして一端は縮んだはずの内臓でエサを摂り、昨年より更に成長し、再び産卵の秋まで生きようとする。

凄い繁殖本能の行動だと想います。このタイプには力強い生命力を感じますし、感動的ですらあります。

この親から生まれた子供たちは、旺盛な繁殖本能をも受け継ぐものなのでしょうか。

Kin3

何故?とか、不思議?とか、そうした自然への疑問や想いは、そのまま魅力でもあります。アマゴの噛み付きそうな顔も、大きな鰭もそんな一部。

パーツの一つ一つにそれぞれの意味があって、そして魚体の全体が纏う、環境を映したような野性味に惹かれるんですね。

 

私は釣り人として、同じ釣るなら好きなタイプに出会いたい、との想いもあります。

釣り方の工夫で出会えるタイプがどれだけ狙い分けられるものなのか、私には分かりません。

数釣らないと特徴や個性の傾向比較が出来ないので、狙いのタイプに出会うには、逆説ですが他のタイプも釣れた方が良い。

渓流魚との出会いを求めて釣りをする事は、自然の命が持つ野生の魅力を探すことでもあると想っています。

 

 

 

2021年2月23日 (火)

2月の尺アマゴ登場

2月22日

 

昨秋に産卵したメスですね。

尾鰭のハタキ跡が残り、尻鰭が発達しています。

0sdo3

痩せちゃってて、何だか可哀想な…でもこれも、自然に生きる野生。産卵後に生き延びて越冬した、この時期ならではの逞しい渓魚の姿。

ありがとう、出てきてくれて。出会いに感謝です。

これから暖かくなり、沢山食べて太く更に大きくなって欲しい。

 

この日はここまでに小さなアマゴしか釣ってなかったので、掛かった感触と見えた姿にビックリしました。

今時期にこれなら、おそらく昨秋の段階ですでに尺クラスだったでしょう。こうしたアマゴの事を「歳無し」とも言うそうですね。

0sdo2

この一尾の前に、実は5連続で捕り損ないましてね。3回はアワセても掛からず、あと2回は掛けてすぐに外れました。

喰いが浅いんですよ。それもかなり。

やっと捕りましたが、皮一枚のハリ掛かりでした。

 

この時は魚は多分、ほとんど動いてなかったですね。

反応があるのはベタ底のみで、小~~さく、来たか来ないか、みたいな微妙な感じ。

アワセが遅いと放してしまうし、早いと乗らないし。何とも難しい、冬の釣り。打率の低さは、あまり計算したくない(笑

魚の鼻っ面をピンポイントで狙う様な、とにかく静かで我慢の釣りです。

0sdo4

今回は釣り仲間のしえらさんとの同行。

誰かと一緒だと、一人のペースとは違った楽しみがあります。

釣り場でも移動中も、色々話したり意見交換できるのは嬉しいものです。

 

 

幾つか見たい場所と、試したいことがあって、まずは単独行動でした。

それで朝は寒くて。チビッ子アマゴたちと可愛いゲストのカジカに遊んで貰ってからの合流。

カジカって、愛嬌があって可愛いですよね。同じく渓流に棲んでいても、これは渓魚とは呼ばれません。そう言えば、何故なんでしょうか?

0sdo5

最初の区間は出足が厳しかったのもあって移動したのですが、場所を変えても、気温が上がった日中も厳しいと言う(苦笑

他の釣り人も何人も見かけましたが、皆さんどうだったですかね。

 

腰を据えてジックリと釣れば、魚の反応はありました。ただし辛い…。

割りと素直に食い込んでくれるアマゴは、ほぼ小型でした。

私的な予想ですと、もう一回、大きな増水があれば、そこから本格的に渓魚が動くかなと?

一度は動き始めた渓魚も、冷え込みが再来すると沈黙しますしね。まだまだ冬色の残る魚たちが居ますから、渓流の春本番はもう少し先でしょう。

 

時折、降雨や気温の上昇などで、渓魚が元気な冬の日もあります。

そうではない日が多いのがこの時期で、でもやはり楽しいんですよ。

0sdo1

寒中には寒中の、時期ごとの釣りの面白さがあります。今年の初期(2月)はまずまず好感触でした。

 

しえらさん、ありがとうございました。またの機会にもよろしくお願いしますね。

 

 

 

2021年2月17日 (水)

2021’郡上地区渓流解禁と冬の釣り

2月15日

 

今冬は禁漁期間中に山間で大雪になったり、でも1月後半からやや暖かい日があったり。厳寒期に降雨だったりと、何だか目まぐるしい季節の移ろい方をしてる気がします。

そんな中、長良川郡上が渓流釣り解禁になりました。早速出撃です。

0ngk7

第一投から、すぐさま反応!・・しかし、一尾目はバラシ。

むむむ、残念。でもすぐ次が来ます。

 

まだ冬色ですね。

反応はそこそこ出てくれますが、ちょっとここらは早いかなぁ?

0ngk4

この時期にしては、良いプロポーションの個体も居ます。

うん、こういう元気な魚に出会えると嬉しいな。

サビ抜けしたような色を帯びていて、綺麗。

 

意外と流れの澱みだけでなくて、やや流れの効いた場所からも反応が出ます。

深い淵底なんかでジッとしてる個体の方が、サビ色っぽい感じ。

これは多分、湧水があったりとかで、例外はありますけどね。

0ngk3

これなんか、お腹がパンパンです。色が春めいていて、力強さが今回一番でした。

良く食べてるんでしょうね。こんなアマゴが居るなら、解禁初期としては魚の動き出しは早いかもです。

 

 

この時期のコツの一つとして、「緩い流れを静かに釣る」があります。

この時に見過ごしがちなのが、見た目に流れが効いていても、底流が緩い場所ですね。

表層の流れに仕掛けが取られないようにコントロールが要りますが、上手く魚の着き場を狙えると、元気な魚が出てくることが多いです。

全面が早瀬だとさすがに今時期は魚が殆ど着きませんから、見分けが大事ですね。

 

渓魚の動きが冬はやや緩慢で、それでも個体差もあり、元気な魚とそうでない魚が混在していて、失敗も多々あったり・・言い訳ですが(笑

冬には冬の釣り方があって、いかに個体差に合わせられるかがキーかと。こうした工夫は冬に限らず、最盛期にも生きてくるものと想っています。

0ngk5

この個体は多分、昨年に小さいながら産卵したメスですね。

尻鰭が発達してて、魚体に年増の雰囲気が?

これからドンドン食べて太く大きくなり、また元気に産卵して欲しいものです。

0ngk2

こちらもメスですけど、先の個体とは雰囲気が違います。まだ若い感じ。

艶々してて、本当に綺麗。

解禁早々からこのコンディションなら、今後は数型ともに良いかも?って希望的観測を持ちたくなります。

 

実際のところ、まだ始まったばかりですが、反応の出方はここ数年では良い方。

解禁初期から小粒ながら数が揃いました。厳しい年は初期は本当に反応がないですからね。

気象条件諸々が今時点では、渓魚にはプラスに働いているように想えます。

0ngk1

雪シロ色っぽい魚体も。

保護色なんでしょう。奥山に雪が多い今年は、こうした個体との出会いが今後増えそうです。

 

こんなふうに、同じ魚種でも個体差が大きいのが面白さなんですよね。

数が纏まる日には、色んな個体に合わせた釣りを構築する好機。渓流釣りでは反応の出る・出ないって、「ホンのちょっとの事」だと私は考えてるんです。

その「ちょっと」が出来そうで出来なくて、でも上手くいくこともあって。

相手の状態次第で、どこまでそれを読んで打つ手が出せるか。

これが上手くハマった手応えは、釣果以上に何度でも嬉しいです。その為には、魚が出てきた場所とその時の釣り方と、その個体の観察の意味は小さくないです。釣りから得られる気付き、ですね。

0gki1

このところ割と上手く行ってる日が当たってますが、ダメな時はてんでダメなんですよね。私の対応力が未熟なんだと思います。

数釣らないと分からない事は沢山あるし、何処まで行っても完成は多分しません。だから追い掛けるのが面白い。

 

色合いが綺麗な春色の魚が、必ず流れの良い場所に居るかと言えば、そうとも言い切れない。

その日その時の傾向はありますけど、絶対ではないんですよね。

 

 

また寒い日が戻る予報が出ています。

こうした条件変化があっても、確実に春が近付いてる。

次回はどんな出会いと発見があるだろうか。やはり渓流釣りは楽しいです。

 

 

 

2021年2月13日 (土)

釣果記録と今後の釣り

渓流釣りが解禁になり、これから禁漁迄の間は、何かとソワソワしながら渓に思いを馳せる日々になります。

そこで毎年、解禁前くらいになると、過去の釣果を思い返してみたりします。

「今年もこんな魚に出会えるだろうか」または、「過去記録を更新できるだろうか」・・「過去に無かった感動に出会えるだろうか(出会いたい)」

 

実際には私の普段の釣り場では、渓魚のコンディションが上がるのは、もっと暖かくなってから。

冬のうちは記録に挑戦よりも、釣り方を工夫したり、ポイントを読んだりするのが優先です。寒くても条件が悪くても渓に向かうのは、最盛期への準備でもあり、単に好きなので(笑。

 

私は「何が何でも大物派」でもなくて、出会いたい魚は必ずしも大型ではないです。でも小さな魚より大きな魚の方が釣れたら嬉しいし、興奮するのも確か。

 

 

釣りには知識や技術向上の楽しさの側面があります。

狙いの魚を仕留める為の工夫は、その魚を釣り上げて初めて達成をはっきりと実感出来るわけです。良い魚が釣れることは意味として、自身の釣りの向上を含んでいて、これが時として釣果以上の喜びなんですね。

なので過去記録を超えることや、それに並ぶほどの成果をコンスタントに出せることは、見える形で自身の成長を知る事でもあるんです。

Etr1

出会えて嬉しい魚の方向の一つが、“野生”。

固有性と言うか、他地域では見たことのない姿の渓魚が居るんですね。

 

漁協の放流等で遺伝子的には微妙な魚が多い昨今でも、その地域らしさを纏った魚は各地で健在です。

完全な天然種であれば尚嬉しいですが、地域の固有性が感じられる魚には魅力を感じます。

 

ですのでこの逆の理由で、放流成魚は私は狙って釣りません。

過去に9月に、33㎝ほどの成魚放流の生き残りアマゴを釣ったことがあり、それはそれで、よく生き残ってたな、と想いました。♀でお腹が卵でパンパンだったんです。放流成魚にしては少ない、産卵行動に参加する個体かも知れません。その魚にはある意味の逞しさを感じたものです。

私が放流魚を釣るなら放流直後でなくて、川に馴染んでからにしたい、かな。

6230

もう一つの方向は、サイズです。

これまでの記録で、40㎝を超す渓魚には2桁以上出会えました。これが50㎝以上となるとかなりの幻クラスで、これはまだ一尾のみ。大型になるほど希少で、どの出会いも良く覚えています。

 

個体差はあるにしても、30㎝台後半以上のサイズになると、力強さが凄い。40㎝半ばを超えたらもう、レギュラーサイズとはまるで別のバケモノです。

このことが出会いの印象深さに繋がり、掛けてから獲るまでの始終が記憶に刻まれます。相手が強いほどに、忘れられない魚になるんですね。

 

これらの事から、「サイズが大きくて野性味がある渓魚」が私のターゲットです。そして時にはサイズよりも野生の輝きが釣りの目的として上位に来る、数やサイズでは言えない価値もある、そんな感じですね。

 

どの魚を相手にしてもヨシとするには、技術が要ります。

なので対象を相手の渓魚に置くのと、自身の釣り技術向上に置く、両方が交差するのが良い魚との出会いなんですね。

Hidoo6

河川の釣りで60㎝を越したのは、ニジマスとブラウンと鮭(+ニゴイにマゴイにナマズ)。

この中では鮭以外は、私は普段は狙ってまで釣りません。

でも掛けたら獲れなきゃ悔しいので、こうした魚種が出る可能性のある釣り場では、華奢な道具は封印です。

 

「釣り」と言うカテゴリーで考えた場合、渓流釣りの装備では60㎝を超す魚はかなり手強いです。

大型魚を獲る技術(やり取り)は、小物を沢山釣っても中々上達しないです。私はこの点においては「大は小を兼ねる」は本当だと考えています。

それに使用してる竿の強度がどれほどなのか、限界ギリギリまで曲げてみないと分からないんですね。勿論、限界を超えたら折れるか、その前にイトかハリがオシャカになりますけど。

 

無理矢理引っ張り上げようとしても、大型魚はそう簡単には止まりません。

これを経験することもまた、技術向上の一端ですね。次に更なる大型が掛かっても、いかにスムーズに上げられるか。

その為には使用する道具類の性能を知る事は重要だと思います。

Dsc_9ras4

まだ見たことのない個性に出会いたい。釣り上げたことがないサイズを釣りたい。その為には今以上に知見を深め、釣りが上手くなりたい。

今年も、これからも、渓流通いは続きます。

 

 

 

 

2021年2月 9日 (火)

2月の渓流に春の気配

2月8日

県外への移動が遊びではやや憚られる昨今ですが、多少なりと空気感が落ち着いてきたような?

私らは元々休日に人波に逢いませんから、関係ないと言えば、無いんですけどね。

渓流釣りで過疎地に出向くことが多く、そうした地域では流行病って殆ど無縁なんですよね。地元の方々、特に中学生以下の子供さん達には、制限をなるべく掛けずに過ごさせてあげて欲しいなぁ、って想っています。

もっと暖かくなれば、それこそ空気感も明るくなるのじゃないかな。

 

 

「三寒四温」と言われる季節。今回は私の休日は「寒」のほうでした。

大体半々の確率で寒と温に当たるワケですが、これが渓流釣りでは結構に影響を受けるんですね。

朝は安定の氷点下。日中の最高気温が5℃くらいでした。風が冷たいこと。。

休日が一端寒に捕まると、しばらくそのサイクルなんですよね。あぁ、嫌だ嫌だ。。

0kka1

まだ冬色を残したアマゴ達。

反応が鈍い事鈍い事・・まぁ、それは予想通りなんですが、良い方へ裏切って欲しいのですがね(笑

ただでさえガッツリ反応する個体の少ない2月に、冷え込みが拍車を掛けます。

 

事前に2ヵ所ほど、予定地を見立てていたのに、現地に着いたら『積雪により通行止め』と来た。うむむ、想定の範囲外の展開だな。

でも、通行止め箇所までは行かなくて良かった? 何しろ気温水温共に低くて・・。

2月1日に雪景色を突破して完封負けしたのに、基本は懲りないんですよね(笑

それにはそれで、目的があるから、なんですが。辿り着けないのでは、それは果たせません。

 

解禁の成魚放流もイマイチだったと聞きましたから、寒さのせいもありそう。放流魚はまだまだ残ってるかも。

そちら狙いの方が、釣果は固い気がしますが・・私は狙わないので、鈍い反応を一所懸命拾うのみです。

ただそうすると、どうしても道路近くの放流場所近辺は外すことになり、寒い中を歩く距離が長め。我ながらドMです(笑

0kka4

大岩と強い流れの間にできた、深み。

一回目は沈んだ木の枝を拾ってしまい、打ち直し。その次にトン!と来ました。

掛かってすぐに首振りをする様は、思いの外良い手応え。何だこれは?

イワナ?いや、ニジマス?? 違う!アマゴじゃん!?って感じ(笑

 

いや~、これはこの時期にしてはイイですよ。

体躯が良くて、色も綺麗なまさに谷(支流)の天然、って個体。斑模様の入り方に、小さな朱点。

このまま育てば、夏ごろまでに結構なサイズになるんじゃないかな。ありがとう、出て来てくれて。

0kka5

冬にしては膨らんだ腹。良く食べてるんですね。こう言う気の早い個体が居るから、油断できません。

嬉しいな~、2月にこのプロポーションは中々出会えないです。パワーとスピードはまだまだ、ですけどね。

 

こう言う個体に出会うと、「こんなのも居るじゃん!」って、ついつい盛期のようなポイントに目が行きがちなんですが、ちょっと待て、でして。

まだ殆どの魚は流れに出てないんですよ。

こんな時に少しでも反応の良いポイントを見付けて観察することは、盛期のポイント選びに生きると私は想っています。

0kka2

歩くうちに、河原にフキノトウを発見。

まだ出始めと言ったところで、日当たりの良い場所限定でポツポツと出ていました。

あ~、こう言うの見ると、春が近いなぁ~って思いますね。

 

僅かではありますが、元気者のアマゴが居ることも分かったし。

春の芽吹きも始まってるし。確実に春は来ていますね。

山の雪が多いですから、本格的に融雪し始めたら、一気に魚は元気に、そして山菜の芽吹きが本格化するでしょう。楽しみなシーズンは間もなくです。

0kka3

まだ寒い日は続きそうですけど、春の感触に触れられて良かった。

世の流れも一緒に、温んでくれると良いですね。

2021年2月 5日 (金)

サツキマスの研究

河川に放流されたアマゴ稚魚はサツキマスになれない?

 

サツキマス(シラメ)の調査について

 

 

このところ、複数個所でサツキマスの話題を目にしました。

一釣り人的には、数が少なくて、居ても中々釣れない降海型のサツキマス。その昔はサツキマス漁師も大勢居て、沢山捕れてたそうですね。近年その数が全国的に少なくなり、調査研究が行われていると聞きます。

 

ダムや堰が建設されている現代では、海と川が流れで繋がっている環境は希少です。

サツキマス、サクラマス、アユ、色んな魚種が行き来するのは、健全な河川環境の指標の一つだと想うんですよね。これらが生息できないとなると、魚を取り巻く自然の状況が上手く機能してないとも解せますのでね。

環境面からも、経済面からも、自然の魚が豊かに息衝くことの重要性は高いです。

故に研究者の皆様も、漁協関係者も、少なくなってしまった魚を増やすため、努力をしておられるのですね。

 

・サケ科魚類のアマゴ Oncorhynchus masou ishikawaeでは、1歳になる秋に、ある体長(閾値サイズ)よりも大きく成長できた魚がスモルト化*1して、降海型のサツキマスになる。
・養魚場のアマゴを養魚場と同様の環境で飼育すると、秋には高い頻度で閾値サイズを超える大きさに成長して、スモルト化した。
・養魚場のアマゴを0歳の初夏に自然河川に放流したところ、秋に閾値サイズを超えるまで成長した魚はわずかであり、結果としてほとんどスモルト化しなかった。
・自然河川に放流された養魚場のアマゴ稚魚は、そのほとんどが降海型のサツキマスにはならない可能性が明らかになった。

 

この部分は非常に興味深いです。

スモルト個体(シラメ)の方が、河川型のアマゴに比して成長が早い、と聞いたことがあります。理由が良く分からないなと想ってたんですが。

スモルト型が成長が早いのではなくて、成長の早い個体がスモルト化しやすいと考えると、なるほど納得です。

 

養殖場育ちの魚は採餌が上手に出来なくて、大きくなり難い→つまり河川残留型になり留まる。

とすると放流魚は、遡上型でなく、河川型のアマゴとしての定着率が高いと言えるのかな。

 

私的な理解として、河川で生まれた稚魚は生存競争の結果、良いポジションを取れなかった個体が下流へ降りると想っていました。あるいはシラメにならないままで降りる個体が、アマゴのままの姿で大きくなるのでしょうか。

この研究では、稚魚のうちに大きくなる、つまりエサを沢山食べて成長する個体の方がスモルト率が高い、となっています。

これが正しいなら、アマゴのまま山間の渓流で成長するより、スモルト化してサツキマスになる個体群の方が強く大きくなると言えそうです。

 

私も過去記事でアマゴ・サツキの考察は何度か触れています。

「アマゴの出自と生い立ち」

「渓流釣りにハマる」

Tym3

このシラメと言う魚は謎が多くて、私的に好きなタイプの一つです。

↑画像のシラメは、ダム湖の流入河川で6月にテンカラで釣った個体でした。

海に繋がっていない河川ですから、ダム湖でサツキタイプに成長しそう・・なんですが、6月に河川に居るのは何故でしょうね?

この後、秋になったら下るのでしょうか。

02_18_13_a4

こちらは早春の2月、長良川水系支流のシラメ。

長良川は今も少なくなってもサツキマスが遡上しますから、その遺伝子を持った仔でしょう。

前年の秋に海に向かうはずなんですが、何故か上流部に残るシラメが居るんですよね。

これらは今更海を目指さないでしょうから、何処かでシラメのまま成長するのかな?

Dsc_ng

シラメは一般的に、長さはあっても厚みのない個体が多いです。でも例外があって、早春にもかかわらず、丸々と肥えたシラメも居ます。この画像の個体なんか、2月初旬でこれですから、このまま育てばかなりのサイズとプロポーションになりそう。

細身の個体が多いのは、肉付きより先に骨格が育つからじゃないでしょうか?

その後下流(海)に降りて、沢山のエサを食べて立派な体躯に育つ、と。

 

幾重にも不思議が多いんですが、シラメが生まれないと、サツキマスが出現しないのは確かですね。血統もあるでしょうし、シラメ化し易い標高や水温などの条件がありそうな気がします。

源流部などの隔絶区域では、シラメ化するアマゴは私は見たことがないです。知らないだけかもですけども。

これをどう考えるか、なんですが。

アマゴとして強い個体群だから、流れを降りる必要が無いのか。

弱い個体群だから、降りる事が出来ないのか。どちらとは言い切れないかもですね。

Dsc_mg1

海産のサツキマスは今や希少ですが、ダム湖産のサツキタイプは各地に居ます。

おそらくですけど、シラメ化の理屈は海産でも陸封でも、そんなには違わないのじゃないですかね。

 

放流魚がシラメになり難いとするなら、各地のスモルト個体の多くは自然繁殖により生まれているはず。

それならスモルト個体が多く見られるのは、大きく成長する遺伝子が自然河川にある、と言えるのではないでしょうか。強く大きな個体の出現率が高ければ、親魚は沢山の仔を生み、豊かな繁殖を成すと想えます。

 

 

サツキマスが減少するのは寂しい事で、これからも多くが息衝いて欲しいです。

ですが減るにはそれなりの理由があると想うんですね。

願わくばその遺伝子が、この先もずっと残り続けてくれたら。今後の研究結果にも注目したいところです。

 

 

 

2021年2月 3日 (水)

2021’渓流解禁

2021 2月1日・2日

一部河川で渓流釣りが解禁になりました。岐阜県内では7つの漁協が2月1日解禁で、順を追って各地で解禁となります。

前週は寒気で山間部の降雪があり、2月早々はやや暖かくて雪でなく降雨。

今年はここまでが降雪量が多目でしたから、まとまった雨が降れば融雪して増水する状況ですね。

 

まずは開幕戦、数型を言わずも、渓魚と出会いたい。

0ham1

パーマークが鮮やかな緑色です。これは珍しい。

サビもなく、艶々。やはり渓魚は綺麗だなぁ。

 

緩い流れの深みの場所から、反応があります。

丸っきりのトロ場でもなくて、やや波だったポイント。

これは日並みで反応の良い着き場が結構違うので、何尾か反応を拾ううち、分かってきます。それが時間帯でまたズレたりするんですけどね。

0ham3

魚体にほんのり赤みの掛かったアマゴ。

面白い事に、同じ河川でも違う特徴があるんですね。こうした個性の観察がまた楽しい。

 

 

実はですね。

2月1日・2日と連休だったので、連荘なんですね。

で、初日は完封負けを食らいました。魚画像は全部、2日目のものです。

 

バクチは承知で、初期に不慣れな場所に行きまして。

積雪は50~60㎝ってとこで、車停める場所が少ないもんだから、遠くから歩いていくんですが、もう、河原に辿り着くのも大変・・。着いたら着いたで、移動も難儀。

0ham5

水は痛いほど冷たいし、コリャ無理だ。

魚の反応が全っっ然!無いんですよ。でもこれは状況の厳しさだけでなくて、私の方も釣り方に問題がありました。

やはり初期には初期の狙い方があるんですよね。

このことに気付くのが遅かったです。・・気付いたからと言っても、あの状況が打破できたかは・・微妙ですが?

 

シーンと静かな渓流は、これはこれで良いものなんですがね。道中、ヒラタケを見付けて嬉々として山登りしたり。ちょっと古そうだったけど、裏が白っぽいものだけお土産に採取。

でもやはり魚に出会えないと、「満足」とは私はなりません。

なので状況が良いだろう渓流に転戦です。

0ham4

まだ細くて、サイズは全然上がらない。20㎝くらいのが出ないかなと?頑張りましたが中々・・。

でも出会えて嬉しい、渓魚には不思議な喜びがあります。これは他魚種には私は感じないものです。

釣り方も含めて、渓流魚の個性との出会いを求めてる渓流釣り人は多いのじゃないでしょうか?

 

前日に懲りて反省しましたので、河川を変えての仕切り直し。

動きが鈍い初期の渓魚は、当たり前のポイントでは無反応なんて事が普通に起きます。

ある意味でやや神経質なくらいに「静か」に釣った方が吉なのは、過去の経験上の一つの結論です。

 

流れの中でガッツリ喰ってくる個体なんて稀で、活性にも個体差があり、喰い方が一尾ごとに微妙に違う。

観察項目は沢山あって、そこで釣り方を合わせられれば、魚に出会えます。これは初期だけの話じゃないですね。

0ham2

このアマゴは緑系のパーに赤系のボディー。色合いが「濃く」見えます。色彩対比の関係かも知れません。

 

今回は解禁初期にしては数が揃ってくれました。良いタイミングに当たったのでしょう。
前日がそうだったように、冬景色の釣りは、釣れない時は本当に厳しいですから。私ではまだまだ、冬の攻略は難しい・・。

ある程度の数が出れば、個体観察も面白く、釣り方も色々試せるので楽しいです。

 

何で最初から今回の釣り場に行かなかったか。それはそれで、理由もあるんですよね。

だって、バクチは打たなきゃ負けませんが、勝つこともありません(笑

ちょっと欲掻いて、人が居なさそうな場所を選んだら負けた、のですね・・。

 

でも前日に失敗した事で、釣り方を再考出来たのは収穫でした。

まだ始まったばかりですが、始まってしまえばシーズンは駆け足です。

今年も良い出会いが沢山ありますように。

 

 

 

« 2021年1月 | トップページ | 2021年3月 »

無料ブログはココログ
2025年1月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

最近のトラックバック