越年アマゴを探す
前年に成熟し、越冬したアマゴ。
私的な最近の流行りで、このタイプを探して釣りたい。
成熟個体の特徴を持っている魚達が好きなんですね。
以前から興味を持っていまして、このタイプをずっと探してきました。それを今年は更に突っ込んでみようと。
秋のオスの大型は、口先が伸びて鼻曲がりになります。そこまでのサイズでなくても、成熟したオスアマゴは、未成熟魚に比して頭部が大きく、口も大きい。
この形状とバランスが格好良いなと私は感じます。
プラス、上下左右どこから見ても、ウロコの反射が視認できないヌメリ肌の個体が居ます。私的にこのタイプに出会えるととても嬉しい。
これも秋の繁殖期の特徴の一つで、全てのアマゴに現れるものではありません。
支流域ではウロコの反射が弱い個体を多く見ますが、それとはまた意味が違うのですね。
私が釣り人としてアマゴの魅力を考えると、一つには個性豊かであることが挙げられます。
同じ河川でも、様々なタイプが居て、非常に興味深い。
その中で見惚れる美しさと野生の力強さを纏うアマゴに惹かれるんですね。越年魚は未成熟魚に比して、迫力のある個体が多いです。
このアマゴはウロコが消えたヌメリ肌に、赤色を帯びています。婚姻色のようにも見えますね。
朱点が大きいのは、稚魚放流の個体なのか? そこはちょっと気になるところですが、体色はとても綺麗でした。
↑のアマゴと同じ河川で、薄銀化の個体も出ました。
これはタイトルの越年アマゴとは違うのですけどね。
このように、容姿の違う個体が同じ日に同じ渓で出会えるのが面白い。
シラメとは違う、半銀毛とも呼ばれる個体。肌理が整った体表で、色合いが薄い。居付き型とは違った美しさが魅力ですね。
本流域ではよく見るタイプで、小谷ではあまり出会いません。
色合いが薄い方が、移動性が高い魚とも言われます。時期が来ると、育った大淵を出て、移動魚になる。
このタイプは大型に育ちやすい性質上、産卵期後は多くは残らない気がします。
サイズが上がると、個性が際立ってきます。移動性の低い魚ほどそれが顕著。
これで26㎝ほどですから、雪の残る時期にはまずまずの良型。色合いが回復し、プロポーションも良い。嬉しい出会いです。
春先に越年個体を探したいのは、その姿形が好きな事もありますし、平均的なアマゴに比して良型が多い事もあります。その代りに数は少ないみたいですけども。
この時期に20センチ後半、あわよくば30㎝を超すアマゴとなると、そうそう出会えませんのでね(私では)。
それに同じくらいのサイズなら、自分が好きなタイプに出会いたいとのワガママもあり。
釣っている最中に混じってくる良型の越年個体は、どうしたら出会いを増やせるだろう。
そんな事を色々考えて、今年は釣ってきました。
タイプごとに、出会い易い場所はあると思います。先の半銀毛の例のように、小さな支流よりは大きな本流に多い、など。
これも時期次第で、魚の移動(遡上)が始まると、また違った場所に出会いの場が変わる事もあって。
渓流釣りが面白いのは、季節ごと、日ごとに魚の状況が刻々と変化すること。
良かれと思って選んだ渓がまるでペケだったり、意外な場所が当たったり。
「私が釣れない」と「狙いの魚が居ない」は全然違いますから、難しい。
降雨後で、雪融けの河原にはフキノトウが沢山出てました。
まだ陽の光を浴びていなくて、白っぽい。
こうして時期が進めば、渓魚も色合いを変えていきます。
越年個体を追ってみる事で、場所の見方、そして釣り方を考察するのは楽しかったです。狙いを絞ることで、あらためて様々な発見がありました。
本命のタイプがあると、それ以外の個体との差異を観察した方が良くて、結果としては様々なタイプが釣れないとそれが出来ない。狙いの魚に出会うには、それ以外のタイプも多く釣れた方が良いんですよね(本流の一発狙いとかは別としまして)。
同タイプのみしか棲息しない隔絶区域もあるのかもですが、私が普段遊んでいる一般的釣り場には、それはまず無いです。
もう春本番になり、桜の季節には本流域も面白くなる。
これからも時期ごとに好きな魚を追い掛ける、そのテーマ探しも続けて行きます。
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