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2022年5月

2022年5月25日 (水)

山菜と渓流魚を考察する

私のメインの趣味は渓流釣りで、年によって、また時期によって、追い掛けたいテーマを変えています。

今春は釣りと絡めて、山菜に注力してきました。

 

植物類の芽吹きのタイミングと、渓魚の動きを観察していて。

地域が違うと、季節の進みが違いますからね。そして季節進行の具合で、渓流魚の動きも違ってくるはず。

 

 

気温、水温、雪融け等々、渓流釣りで大事な事柄は、山菜の芽吹きにも大事。

・・と書いてみても、山菜から釣りに直結するような確かなネタは、そうそう見付からないですけども(笑)。

様々な事柄の関連性を探すことは、私の場合は山渓遊びの楽しみなんですね。

何より、山菜が好きなのと、渓流釣りが好きなのと、その両方を楽しもう、ってお話です。

 

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ヤマブドウの新芽

天ぷらにすると、爽やかな酸味が美味しい。

これが出始めると、春の山菜は終盤。  

 

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ヤマウド

私の好物の一つ。

もう大きく開いたものが増えて、今後は新芽を摘むくらい。

 

ヤマブドウ、ヤマウド、これらが育ってくる頃、陸生昆虫の種類が増えて、すると渓魚達のエサも変わって行くのじゃないかな。

 

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標高を上げれば、まだ春の山菜は採れます。

 

コゴミは雪融け後の山肌に出る山菜。5月後半にもなると、人里近い地域ではすっかり開いてしまっています。

これが河原に見える時は、そのエリアはユキシロ混じりで水温が低い。でもこの頃から、魚達の動きが春めいてきます。

同じ日でもこの植物の成長は、場所によっての状況の違いを知らせてくれるんですね。

 

 

気温や水温は、日でも時間帯でも変化します。

積算という概念があり、○℃の気温が✕日以上続くと、△の花が咲く。みたいなことは、自然界には沢山あって。これはその日だけでは分かり難いです。

 

 

移動性の高い魚が動き出す時期と、春の山菜の中〜後半戦がカブるのは、経験上間違いありません。

このタイミングには地域差があって、繁茂してる植物類を見ると、その日の水温気温以外に、魚達の動きがどうなっているのか、そのヒントがそこにあるのじゃないか、と私は考えてるのです。

 

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渓流魚をざっくりと区分すると、「居着き魚」「遡上魚」「移動魚」。あくまで私的な分類です。そして正確な分けは難しい。

↑のアマゴは、私の区分では移動魚。

 

 

パーマークが着いているから居着き魚とは限らず、遡上魚だから銀ピカとも限りません。ダム育ちの遡上でもパー付きアマゴは居ますし、シラメなのにいつまでも河川に留まるものも居るようです。

山奥の隔絶区でも、一箇所から動かないもの、幾らかでも上下移動するもの、色んなタイプの個性があると想像しています。

 

 

冬に魚があまり動かないのは、上流域ほどそうでしょう。とにかく水が冷たいですから。

下流に降りた魚は上流域の魚に比して、活動が弱まる期間が無いか少なくて、ゆえに初夏の頃には立派な大きさに育っています。

それら各流域で成長した魚達が、動きを変える時を読むことが出来れば、釣りの組み立てが一層楽しくなるだろう、と思うわけです。

 

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↑こちらは遡上魚。

 

いつ、どのタイミングで、どのタイプと出会えるか? 更には、どんな流れで、どんな釣り方で?

これはテーマがかなり大きいので、とりあえず今年の早春は、居着き型アマゴの3年魚(年越し)を探していました。

水温む頃からは、やや移動性の高い魚が動き出し、その後は遡上魚も見え始めます。これらの多くは2年魚ですね。

 

 

近年、私の遊び場の地域で私が採る山菜に関しては、タイミングはほぼ計れるようになりました。20年くらい掛かったかな。

年ごとに幾らかの時期の前後があり、今では山の様子を見ると、どの山どの種が早いとか遅いとか、大体判別できます。暦とは違う、季節の巡りを知る、と言う事ですね。

山菜一本で山行することもありますけど、リュックに釣り竿を背負っていって、魚の反応を見る事と合わせてデータを取るのは、とても面白かったです。

 

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それと昨年は、釣れた魚の「数」を意識していまして。・・とは言え、そんな凄い尾数を獲れた訳でもないんですけど(苦笑)。

それにやはり昨年も、山菜シーズンには山入りしてましたしね。

 

 

数値目標と言うより、狙いのタイプの魚に出会う為には、それ以外のタイプの居場所を見た方が良く。

例えば小型魚が何処から出たかを見ると、良型は何処に居るのか、とか。

遡上型が釣れたなら、その時居付き型は何処に着いてるのか、とか。

多く釣るほどに、色んな事が推察し易くなると考えた次第。ならば出来るだけ数を釣ろうと。

 

 

それで今春は、冬から釣り始めて以降、季節の進みと共に、何処にどのタイプが現れるか、その時の植物の芽吹きはどうなっているのか、そんなことを観察の主としました。

なので一日の釣りで、標高を上げたり下げたりして、本支流、同日に観察を続けています。

 

おそらく年月を費やしても、釣りと山菜に、関連性を裏付ける完全な答えはそうそう出ないでしょう。

しかしこのパズルに挑むような感覚が私は好きです。

 

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前述のように春の山菜は終盤戦になり、これだけを狙うのなら今後は、かなり山奥に行かねばなりません。

でも私は盛期の渓流シーズンには、そこまではしないつもり。何やと言っても、やはり私の遊びの中心は渓流釣りです。それにあまりに標高が高いと植生が違って、山菜類が豊富なばかりではないですしね。

 

そろそろ梅雨入りの声が聞こえそうな今年。

今後も追い掛けたいテーマは沢山あって、楽しみが尽きません。

 

 

 

 

 

2022年5月21日 (土)

雑感・山菜を食すこと

山菜を乾燥させてパウダーを作る人がいます。今のハマりはコシアブラだそう。

ゼンマイなんかは知ってますけど、コシアブラを乾燥って、私は聞いたことないです。

それでカレーを作るんですと。

 

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言われるには。

「インド人がカレーを常食する、理由があるはず」

スパイス各種には様々な効果効能があって、それがインドの地域性に合っているのだろう、とのこと。

それをアイディアにして、インド風の山菜料理を作ろうとの意図で、挑戦中らしい。

乾燥してパウダー状に加工すれば、夏場でも使えますから、面白い取り組みかと。

 

常夏の国で、スパイスには殺菌効果があって、保存し易くなるとか。

カレーは各種の栄養素を一度に摂れる調理法であるとか、色々あるでしょう。山菜を加える事だって、勿論アリですね。

 

乾燥、塩漬け、時々の収穫物の保存法は色々。

これだと、時期を外したとしても、後に食べる事ができます。

 

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日本では(全ての人ではないにしても)、山菜を食べる習慣は全国にあります。

和風料理だけでなく、洋風、中華風にも山菜は使用されてますね。

 

昔から「旬の初物を食べると寿命が延びる」と言われてます。これは季節が移ろう国で、その時々の食材を摂ることで、健康管理に役立つと考えられてたのかもですね。

栄養素だけでなく、土地土地で季節のものを食す理由は、日本以外の外国でも様々でしょう。

 

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山菜独特のエグみとかアクの部分は、実はデトックス効果があるとか、花粉症に効くとか、血圧安定とか、諸説ありで。

 

私自身の実感としてですと、朝の快便は感じますね。特にシダ系。食物繊維が腸に良いのは周知の通りです。

ただし摂取した際の個人差もあるようで、これを食べたら体に良い、が本当だとしても、それだけを食べたら健康、ってことにはならないと思います。山菜に限りませんけどね。

 

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熊が冬眠から覚めた時、毒草を食べる話があり。

これは冬眠中に体内に溜まった老廃物を排泄するためなんだそうです。コバイケイソウとか、ミズバショウとかを食べるらしくて。

賢いと言うか、どうやってそんな事覚えたのかな、と不思議ですけどね。

 

 

山菜類の中には、微毒なものもあります。誤解があるといけませんから、ここではこれ以上触れませんが。

 

冬に活動が少なくなり、春に動き出すことが多かった山の人は、体外へ毒素を排出するために、春の野草を食べていた、と言われれば、何となく納得。毒を以て毒を制す、ですかね。

 

私はそんな大層な話ではなく、食べたら美味しい&採ったら楽しいから、山菜が好きです。

 

 

子供が苦みや辛みを嫌うのは、その味覚が「危険」だと感じるから。実際には毒でなくても、危険を察知・回避するようになってるんですね。

大人になって味覚が変わるのは、毒耐性が増してくるので、微毒程度は処理できるようになるからとも言われます。(味蕾が減少するらしい)

 

ゆえに子供のうちは泥遊びしたり、水遊びしたりで、雑菌やウイルスや、諸々の毒素に触れて、耐性を鍛えてるのですと。免疫の強化、ですね。赤ん坊が何でも口に入れるのは、あえて雑菌類を取り込んでるんだそうです。

そう言う意味では、本能の部分で人間も熊も同じかも?

 

安心安全を謳って作られた食材は良いものなんですが、あまりに綺麗過ぎるものだと、免疫が鍛えられないのは本当みたいです。

 

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野菜類は自然界の植物に品種改良を重ねて、味・栄養等を整えて作られています。

私の知る限り、栽培の野菜のように利用しやすい天然食材もありますけど、トータルの品質では野菜が上を行くのじゃないかな。

 

利用しやすいように排除された部分・加えられた部分がある品種と違い、天然の山菜は生のままです。

人が排除していない部分に含まれる成分が、味としてはエグみ、苦みになっていて。これが大人になると美味いと感じるようになるのは、理由もあると思うんですよね。

 

春に独特の香りや味を摂る事は、その事で得られるメリットが含まれてるのだろうと想っています。

 

 

 

 

2022年5月17日 (火)

ウド採り&初夏の釣り・季節の楽しみ

朝一番で釣り場到着の予定が、まさかの二度寝・・。

それでも暗いうちに車を走らせると、道中の気温が3℃!?

5月中旬の気温じゃないね。

 

明るくなっても、まだ気温は5℃。

少し考えて、釣りよりも、先に山菜採りにしました。

 

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本日のメインターゲット、ヤマウド。

 

これだけ冷え込むと、朝マズメは魚達の動きが鈍かろうと。

寝坊しましたけど、釣りは朝から気張らなくて良かったような気がしなくもない。ですが、それは都合良すぎな解釈(笑)。

 

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立派なウド。

私の好物の山菜です。これだけの太さだと嬉しいな。

 

 

私の遊び場では今時期がピーク。

今日は(も)所用で実家に行く予定なので、山菜好きの両親に良い土産になります。

 

 

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やや遅れて、釣りへ。

マズメは外したのですが、予想通り、イマイチ食い渋りの状況。

 

良い構えのポイントから、まるで反応が無かったり、あっても掛け損なったり。

ちょっと・・予想以上に厳しいな? というか、私の狙い方に問題があるのだろう。

 

魚達のコンディションから、活性は高いのが窺えます。

「釣り難い」と「低活性」は違ったりしますからね。初夏らしく、魚体がとても美しい。

時間の経過と共に暖かくなり、反応も活発になってきました。

 

 

いや、それにしても。

前々日は雨降った筈なのに、もう水が引いてます。これで魚の動きが変わると読んでたんだが・・?

 

 

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キヨタキシダ

 

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イヌドウナ

 

これらは私の遊び場では、やや珍しい山菜。

季節の巡りに合わせて、行き先を変え、目線を替え。

暦で読めない季節の進行を見て感じながら、山渓を楽しみます。釣りをしつつも、日照や地形を観察し、植生を知る事はとても面白い。

 

 

釣りの方も、今時期ならではの考察があり、その一つが「2年魚の移動」。

これが釣りでは今回のメインテーマ。

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前秋に下流へ降りたアマゴの、遡上が始まりました。

今時期はアマゴ達の産卵にはまだ早く、産卵遡上とはおそらく意味が違います。

 

遡上のスイッチが入るのは、想像ですが、一つには水温。

奥山にはまだ雪が残り、朝晩が冷え込むことも多い今の時期、約半年の下流での生活を経て成長した魚が帰って来る。

 

 

雪融けの山肌にフキノトウ等の早春の植物が芽吹き、その後気温の上昇と共にその種類が増えて。

春の山菜終盤と、魚の遡上開始の時期はリンクしています。

 

 

経験上、遡上開始時期はそこまでの大型は滅多に居ません。

これがアマゴ圏でなくヤマメ圏だと、同じく遡上個体でも、下降時期と下流での経過時間が違い、時期やタイミングにはズレがある様子。

 

アマゴは多くが2年成熟で、遡上時期以降、居着き型の魚と、居場所や反応にどんな差があるか? とても興味深いです。

 

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山渓の事柄には相関性があるものが沢山あり、と言うか、独立しているものは皆無。

 

私は趣味の中心を渓流釣りにしていますが、釣果を得るプロセスに、周辺の自然観察を絡めることが大きな楽しみ。

植物の成育と魚の移動などはその一つで、狙いの魚に繋がる考察の構築が好きなんですね。難解なパズルを解くような、そんな感覚。

そしてその過程で、山菜の採集と言う喜びに出会えます。

 

釣りで結果を見るには技術も必要で、周辺観察からの知識はヒントでしかありません。

しかし、かなり楽しいのは確かで、時として山菜キノコが主目的でも良いくらいなんですけども。

私の場合はやはり、渓流釣り、渓魚との出会いが中心なんですよね。

 

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コシアブラとハリギリ

標高を上げればまだ採れますね。でも今年はこれで最後かな。

 

 

採れた山菜を持って実家に行き、団欒するのもまた良いもの。

今回も楽しませてくれた山渓に感謝です。

 

 

 

 

 

2022年5月13日 (金)

ギョウジャニンニク・幻級の山菜

あるところには在る。

しかし探してもおいそれと出会えない。

山菜の中では、私の行動範囲では本っっっ当に、その姿が見付からないのがギョウジャニンニクです。

ギョウジャニンニクは北方系の植物で、北海道や東北などの、寒さ厳しい土地に多く分布してるのだそうですね。

 

「幻」

いや、実在はしてますけども。

 

 

食味は私的評価では文句なしの横綱です。

もう一種、オオナルコユリが横綱で、この2種が東西のトップ。

私の行き先周辺ではこの2種は、レア度もトップクラスです。

 

味とレア度、これを兼ね備えたのが横綱級の山菜たち。

 

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昔から「高級キノコ(マツタケ、マイタケなど)の生え場所は、親子でも秘密」ってよく云われます。

 

私の中ではどうしても秘密なのが、ギョウジャニンニクの自生地。

 

幾つかの生息条件があり、一応、在る場所は少しだけ知っています。

こればかりはそれこそ、親にも子にも場所は内緒(笑)。

 

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もうねぇ・・

見付けた時に、大声で吠えてしまう山菜は、他に無し。

大金星!と言って良いです。

 

 

私だと、出会った際に吠えるのは他には、レコードサイズの渓流魚があります。

渓流魚にしろ、ギョウジャニンニクにしろ、養殖・栽培もあるので、お金出せば手に入りますけどね。

野生との出会いには、興奮と感動があるんです。プライスレス、ってヤツでしょうか。

 

 

もし見付けたとしても、まずは採らずに。

周囲の山をグルグルと歩きます。見付けたコロニーの親もしくは子を探すんですね。

 

採取するにしても、ほんの数本、間引きする程度。

一回採取したら、その場所は2年間は放置します。これはマイルールでして、今のところ見付けた自生地では、毎年その姿が確認できています。

 

兎に角、超貴重品なんで、絶えてしまったらシャレになりません。

 

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この画像の右手側に、葉っぱの喰われた様子が写ってます。

足跡などから多分、犯人はカモシカ。

 

カモシカって、山菜も食べるんですが、賢いのか何なのか、中央の茎の部分は残してる事が多いです。

そうしてくれると、ギョウジャニンニクは花芽が付きます。これなら枯れたりはしませんね。

これは採取する時のヒントかなと思っていまして、中央部を採らずに対の葉の片方を頂くくらいなら、問題なく成長してくれそうです。

 

これが猪だと、周囲を耕耘機で掘り返したくらいに荒らすので、正直、困ったもんです。

草食獣も雑食獣も、四足は他にも色々居ますし、それは仕方ないですけどね。

 

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これ「だけ」を探せば、もっと見付かるかもしれない。

しかし、幾ら出会いたいからとは言え、あるのか無いのか知れない山で、歩き続けるのはさすがに骨が折れます。で、大抵は見付からないし、有っても少ないし。

 

ギョウジャニンニクが少ないのは、環境が合わない場所には根付かないこと、成長に年月が必要なこと、あたりが理由でしょう。

希少性ゆえに、探し出した際の喜びはとても大きいです。

この貴重な山菜が、いつまでも残って欲しいと想っています。

 

 

 

 

2022年5月11日 (水)

渓流釣りと山菜採りと家族

体が2つ以上欲しいと、よく思います。

 

まずこの時期は行きたい河川が多い。

本流が楽しいし、支流上流域の雪が少なくなって、そちらの魚も見たいし、山菜採りも行かねば。

 

やりたいことは多い、しかし時間が・・。

世間では週休三日制が話題のこの頃、私はいまだに週休二日すら実現しない状況で、世の流れから取り残されそう(笑)。

 

 

まずは朝は本流の釣り。

GW明け、釣り人にイジメられ、魚達がナーバスなのは、多分何処も同じでしょうね。バラシや掛け損ないが多発でした。

やや釣り難いポイントを狙って、コンディション良い魚達が。

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まずまず良い感触で釣れてくれます。

でも1箇所に腰を据えると、時間がなくなるので移動。

開けた本流では、春の山菜はそろそろ厳しく、場所を変えないといけません。

 

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ウド

 

私の行動範囲では、春山菜は終盤。

夏でも採集可能の種はともかく、良いタイミングはとても短い。

なので今時期は私は、山渓遊びでは山菜の優先度が高めです。ここを外すと、採れなくなりますので。

 

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コゴミ 最終時期になると、太くて大きいのが採れます。

 

 

山菜は自分が採りたいのもあるけど、高齢の両親への届け物でもありまして。

父親が足を悪くしてから、山を以前のように歩けなくなりましたから。

自分自身が楽しみつつ、お土産持って何度か実家に帰るのが、春の山菜+秋のキノコのシーズンの近年の定番です。

 

 

しかし、1日で本流・支流・山菜の三本立てはナカナカにハード。

そう言えば、以前はここに「子守り」のミッションが加わった時もありました。

 

当時の幼子はもう高校生。あっという間でした。

大分放って置けるようになり、でも今度は両親が高齢で不自由になり。難しいですね。

そのうち孫の守りをするとなったら、どんな感じなのかな。

 

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モミジガサ

 

 

実家に行き、山の話に花が咲くのもいつも通り。

山渓の遊びから、親から私へ、私から息子へ、こうした繋がりも良いなと思います。

父は渓釣りはしなかったし、息子は山菜もキノコもイマイチ興味なしですけどね。楽しみ方に共有できる部分があることで、コミニュケーションが弾みます。

最近は息子も山菜を食べるようになってきましたし。以前は苦みやエグみがダメだったみたいですけど、味覚は年齢と共に変わりますからね。

 

 

私は山菜採りも好きですが、中心は渓流釣りです。

今回、山を歩きつつ、これまた今時期を外すと藪だらけになる沢を釣ったり、そろそろ始まる渓魚の移動を確認に行ったり。

「今」出来ること、その中でより楽しいものは何か? 今後に活かせるものはどれか? ってところですね。

 

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コシアブラ

 

 

家族、仲間、仕事など、日々考えることは多々あり、休日には時期毎にやりたいことが沢山。

 

「時間・お金・体力の3つが、満点に揃うタイミングは人生にはほぼ無い」とは、以前聞いた言葉。

確かにそうですね。

 

年々体力は厳しくなって、いずれは両親のような高齢者に私もなるわけで。

かと思えば、子供らはどんどん強く逞しくなる。代替わりですね。

私も山渓の経験は重なって、楽しみ事は増し、深まってはきましたが、まだ知らない&出来ない事だらけ。

 

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ある場所で、緑のパーマークのアマゴが。

久しぶりに見ました。

保護色なら、同河川で似たような色になりそうなんですが、今回はこれ一尾のみ。緑のパーはあまり出会いませんね。

 

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また別所では、シラメタイプが。

初夏の頃、河川内に居るこのタイプは不思議なんですよ。

前秋に下降の性質があるシラメが、何故に春~初夏に河川に居るのだろうか。

もっと小さい個体なら、そもそも下降してないかもだし、小さくても戻って来ちゃったとか?

夏になると、20㎝台中盤前後のシラメは、成長するからなのか、下降するからなのか、滅多に見かけなくなるんですね。

 

長く続けてる渓流釣りも、相手となる魚の事が、もっと知りたい。

 

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今のうちに見ておきたかった場所の確認が出来たし。

山菜が採れて両親が喜んでくれたし。

それと今回の釣りで、ちょっとした発見もあって。その確認は次回以降にですが、手応えアリ、な予感。

もうしばし、山の釣りと山菜採りを楽しもうと想います。

 

 

 

 

 

2022年5月 6日 (金)

アマゴ釣り・魚のサイズと個体差

渓流では大小のアマゴに出会います。

1尾ごとに個性豊かで、姿形に差異があり、非常に興味深い。個体の特徴は大型魚になるほどに顕著です。

 

時折、私的な渓魚の考察を書いていまして、当ブログ内では割と人気記事になってるようです。

ただ、魚類学的な知見ではなく、あくまで私の観察からですので、思い違いなどはあるかもしれません。

 

過去記事の一部はこちら

 オス♂の鼻先・メス♀の尻鰭 アマゴの不思議・鱗の皮下埋没 アマゴの出自と生い立ち

 

 

・・・・・

 

一般的に河川の上流域は渓魚の棲息が多く、下流域ほど少ない。

棲息密度が高い場所には小型が多く、低い場所には大型が育ちやすい。これは水量と生存競争の相手の数を考えれば当然かなと。

 

上流部、下流部、どの場所も魚の棲息にはメリット・デメリットがあって、個体としても種としても、それぞれに理由があるんですね。

 

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アマゴは移動性にも個体差があります。生まれた場所からあまり動かないもの、大きく移動するもの、様々。

移動性の低いアマゴは体色が濃く、移動性が高いアマゴは薄い。後者の方が、早く、大きく成長する個体が多いことが分かっています。

 

 

居着きと呼ばれるパーマークの出た、体色が濃くウロコが薄いアマゴは、水色や石色に合わせ、外敵を避ける保護色を纏っていると言われています。こちらは呼び名の通り、同じ場所からあまり移動しません。

 

銀毛の掛かったアマゴは1箇所の色に染まらず、良い場所を探して移動します(下降・遡上)。

移動性の高いアマゴの最たるものがシラメで、成長してサツキマスに。また、シラメではない薄銀化(擬似銀毛)のアマゴが居て、これはサツキマスにはならないですが、大型になります。

 

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アマゴの行動は、移動も含めて全てが「生きて成長し、繁殖すること」に充てられている。

野生魚は皆そんな感じですね。アマゴのように、多くの個体が繁殖行動後に一生を終える魚は尚更でしょう。

個体の成長差も、その特徴の意味も、行き着くところは繁殖なんですね。

 

 

アマゴの多くは2年で成熟し、繁殖行動に参加します。中には1年目で成魚になる個体、また3年目まで成熟しない個体や、成熟しても繁殖機会の無かった(ペアが見付からないなど)個体が居るようです。

 

サツキマスは1回の繁殖行動(産卵・放精)で斃死しますが、小型で成熟したアマゴはその後、翌年にも生きていて、翌秋に2度目の繁殖行動をします。最多で二回がアマゴの繁殖機会らしい。

 

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卵から稚魚が生まれて泳ぎ出したとき、そこに大きな魚が居ると、小魚は良い流れに入れず、エサが十分に摂れません。大きな魚を避けた場所で少ないエサを探しますが、それでは大きく成長しにくい。

 

このときに、成長の早い銀毛(+半銀毛)個体はライバルが少ない下流に移動し、そうでない魚が居残りします。

前者は大きく成長して上流域に戻り、一度の産卵で沢山の子孫を残す。後者は体は小さいですが、繁殖機会が2回あります。

成熟機会(年齢)が分散することで、種を繋ぎ続ける。このことから、小型魚の存在意義は小さくないです。

 

産卵期に災害が起きる等しても、親魚が生きていれば、繁殖のチャンスは残ります。

また河川の上流部は年間を通して水温が低く、渓流魚の棲息に適うことも、そこから魚が移動しない(居残り)理由でもあるでしょう。しかし繁殖年数の分散から、渓流は棲息が厳しい環境であるとも解せます。

 

 

上流域でも水量豊富な渓では、大きく育つ個体も居ます。

下流からの遡上が出来ない隔絶区域の場合、水量やエサなどの条件で、どの程度までのサイズが居着いているのかは分かれそうです。そこに棲む魚の移動性は、本流や海に接続している渓ほどに大きくはないはず。

 

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私自身の釣りを通しての実感として、色が濃い居着きアマゴの中には、行動範囲が非常に狭いものが居ます。(釣れたアマゴをリリースしておくと、次回以降に同じ魚が同じポイントで釣れることがままある。)

また居着きでも、やや移動性の高いものや、銀毛でも移動性の低いものが居ると想像しています。これは魚に発信機でも取り付けないと分からないのですが。

 

パーマークが出ているから居着き魚とは言い切れず、体色の色合いや鱗の付き方から推察するのですが、見た目の判断は絶対ではないように思います。

どこまでを「居着き」と定義するのか、それ自体も曖昧ですしね。

隔絶区域(堰堤や滝などの上流)でも短い距離を行き来するもの、遡上阻害物の無い渓で下流から上るもの、色々なタイプがあり、おそらく大型の移動(遡上)個体の多くはサツキマス同様に一回産卵です。

 

アマゴは個体の特徴が居着きタイプと移動タイプでは異なっており、その姿の違いは育つ場所と関係していて、それが繁殖機会が一回なのか二回なのかに関わってくる。ただ各タイプには「中間型」が居て、完全な区分けは困難かと。

 

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完全な居着き魚は、成熟しても然程に大きな個体は稀。下流域育ちのように、40㎝を超してくるほど育つアマゴは滅多に居ません。

主流に居て、エサを多く食べている良型の居着き魚は実は、昨年は流れの脇で少ないエサを摂っていた小さな魚。

それ以上に大きな魚は秋の繁殖行動後に斃死して、一端は殆どが居なくなります。そこで生き延びた元は小型の2~3年生が、産卵場所近くで春先に好場所に陣取る良型の魚の正体。

この魚を避けて下流に降りて成長した魚は、時期が進むと戻って来て、そこでまた新たな子孫が生まれます。遡上期には春先とは違い、移動性の高い魚は居着き魚より大きくなっている事も多いです。

 

産卵のために遡上する個体の多くは2年魚。

居着き魚の良型には、下流育ちには少ない3年魚が多く、骨格や色合いに違いがあります。

 

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私は釣り人ですので、釣果として「何㎝の魚が、何尾」のような記録も取りつつ。

釣れた魚の個体の意味というか、数値化できない部分にも意識を向けています。

 

大型魚が釣れたら嬉しい。沢山釣れたら楽しい。これは確か。

サイズを求めるなら、広い水域で育った魚は大型が多く、有利。色合いなどの個性が強い魚なら上流域へ。

居着き魚なのか移動魚なのか、2年魚か3年魚か等。出会えたのがどんな魚だったのか、そこを考える事で釣りの意義が加わっていくんですね。あくまで私の個人的なものですが。

 

釣りは「狙い通り」に展開できて結果が出れば、満足感が上がるもの。

一尾一尾を吟味して、狙いの魚を定めて行くことも、趣味の楽しみを深めるものと想っています。

 

 

 

 

2022年5月 3日 (火)

春のキノコ・山菜・渓流釣り

おおお〜〜!!

 

思わず声が出てしまいました。

 

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エノキタケ

倒木にズラズラっと。

 

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これは嬉しい!

華奢なものが多いのですが、これはカサの厚みがあります。

老菌もあって残念、でもやはり嬉しい。来て良かった~~!

出会いが嬉しく、食べたら美味い。優秀な食用キノコで、私の好物です。

 

実はこの時、何とビックリ、雪が舞ったんですよ。

5月に私の遊び場で降雪って、結構珍しい。何年ぶりに見たんだろ?

 

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春のキノコの一つ、アミガサタケ。

これも嬉しい。良い値段の付く、高級品なんだそうですね。

私は春の山菜シーズンに、それっぽい生え場所があると探してます。

 

何故だかキノコには不思議な魅力があって。

山菜と似てるけどまた違った、出会えた際の喜びがあるんですね。

でも今時期は私は山菜がメインで、キノコはサブ。採れたら良いな、くらいですが。だけど、何て言うのかな、この嬉しいのは。

 

 

今回の主目的の収穫物の一つはこちら。

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ウド

 

山菜の中では私的なランキングの上位種で、大好物です。

味も香りも良く、どんな料理でもイケる。「捨てるところが無い」と言われる山菜。

里のものはやや大きくなってましたが、私の遊び場では出始めで、これからが本番です。

 

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もう一つの目的、ハリギリ。

 

収穫の期間が短くて、タイミングを外すとすぐに開いてしまいます。

生え場で一斉に芽吹いてしまい、後が続かない事が多くて。

季節の進みを見て、適期に山に入ると、状態の良いものが収穫できます。

昨年は行き先を誤って、良い時期を逃したので、今年は下調べして臨みました。

 

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コゴミ

 

里部ではすっかり開いたものが多くなりました。

先端が巻いてる状態なら、多少伸びても柔らかくて、食べるには問題なしです。

ただこの画像のように、脇の葉が出てない状態のものが食感が良いので、これまた適期は短いです。

 

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ウルイ

 

里の山菜はだいぶ過ぎましたが、標高を上げていけば、まだまだ早春の山菜も採れます。

その年の傾向がありますから、何がいつ芽吹くかを観察して、あとは現地で行き先を調整する感じ。

 

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先だっての降雨で良い水加減で、アマゴもイワナも元気でした。

チョイチョイ竿を出してみて、魚に遊んで貰いつつ。

 

元気には違いないが、いまいちサイズが上がらないな、なんて思ってたら。

 

折角出て来てくれた良型イワナをバラす失態。。

前から思ってますが、この時期ってアマゴもイワナも、バラシ率が高いんですよ。

「春は魚の捕食が下手説」は聞いたことあるけど・・それは冬の冷水期は確かにありそうですが、今は魚の口が柔らかいのも一因かな。でもデカいのも外れるんだけどな・・?

 

 

まあまあ良いサイズだったな~、悔しいけど、釣りに時間掛けると、山に行けないし。

潔く諦めて、また行き先を変えて山菜探し。

 

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コシアブラ

 

先週も見に行って、そろそろ良さそうな場所に目星を付けてましてね。ちょうど良い頃合いでした。

ウコギ科の山菜の中では、香りが良くて好きです。

 

 

私は今時期は山菜の山を観るのがメインで、渓流の下見も兼ねてるんです。

昨年良かった場所が埋まってたり、新たなポイントが出来てたり。釣りも絡めてて、沢筋の渓魚の観察も楽しみです。

特にここ数年、夏の豪雨で山が荒れて、土砂の流入が凄い河川が多い。でも案外魚達は逞しくて、しっかり息衝いてくれてます。

 

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今は里川では水が落ち着いてきてますが、奥山ではユキシロの白っぽい薄濁りが出てます。

あと少し・・かな。いよいよ良型渓魚も活発化してきそう。

 

何やと言っても、私の趣味の中心は渓流釣りですけど、春には春限定のお楽しみがありますのでね。

今は釣りはしたいが、山菜採りにも行きたい。

ある意味良くしたもので、木の芽時を過ぎる頃が渓流釣りはハイシーズン。桜の開花頃から渓魚が活発になって来て、数型共に上向く時期。

芽吹きの季節は山の新緑が美しくて、とても気持ちが良い。

この時期は山入りして山菜を採りつつ、最盛期の渓流に備えて行こうと思っています。

 

 

 

 

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