山菜と渓流魚を考察する
私のメインの趣味は渓流釣りで、年によって、また時期によって、追い掛けたいテーマを変えています。
今春は釣りと絡めて、山菜に注力してきました。
植物類の芽吹きのタイミングと、渓魚の動きを観察していて。
地域が違うと、季節の進みが違いますからね。そして季節進行の具合で、渓流魚の動きも違ってくるはず。
気温、水温、雪融け等々、渓流釣りで大事な事柄は、山菜の芽吹きにも大事。
・・と書いてみても、山菜から釣りに直結するような確かなネタは、そうそう見付からないですけども(笑)。
様々な事柄の関連性を探すことは、私の場合は山渓遊びの楽しみなんですね。
何より、山菜が好きなのと、渓流釣りが好きなのと、その両方を楽しもう、ってお話です。
ヤマブドウの新芽
天ぷらにすると、爽やかな酸味が美味しい。
これが出始めると、春の山菜は終盤。
ヤマウド
私の好物の一つ。
もう大きく開いたものが増えて、今後は新芽を摘むくらい。
ヤマブドウ、ヤマウド、これらが育ってくる頃、陸生昆虫の種類が増えて、すると渓魚達のエサも変わって行くのじゃないかな。
標高を上げれば、まだ春の山菜は採れます。
コゴミは雪融け後の山肌に出る山菜。5月後半にもなると、人里近い地域ではすっかり開いてしまっています。
これが河原に見える時は、そのエリアはユキシロ混じりで水温が低い。でもこの頃から、魚達の動きが春めいてきます。
同じ日でもこの植物の成長は、場所によっての状況の違いを知らせてくれるんですね。
気温や水温は、日でも時間帯でも変化します。
積算という概念があり、○℃の気温が✕日以上続くと、△の花が咲く。みたいなことは、自然界には沢山あって。これはその日だけでは分かり難いです。
移動性の高い魚が動き出す時期と、春の山菜の中〜後半戦がカブるのは、経験上間違いありません。
このタイミングには地域差があって、繁茂してる植物類を見ると、その日の水温気温以外に、魚達の動きがどうなっているのか、そのヒントがそこにあるのじゃないか、と私は考えてるのです。
渓流魚をざっくりと区分すると、「居着き魚」「遡上魚」「移動魚」。あくまで私的な分類です。そして正確な分けは難しい。
↑のアマゴは、私の区分では移動魚。
パーマークが着いているから居着き魚とは限らず、遡上魚だから銀ピカとも限りません。ダム育ちの遡上でもパー付きアマゴは居ますし、シラメなのにいつまでも河川に留まるものも居るようです。
山奥の隔絶区でも、一箇所から動かないもの、幾らかでも上下移動するもの、色んなタイプの個性があると想像しています。
冬に魚があまり動かないのは、上流域ほどそうでしょう。とにかく水が冷たいですから。
下流に降りた魚は上流域の魚に比して、活動が弱まる期間が無いか少なくて、ゆえに初夏の頃には立派な大きさに育っています。
それら各流域で成長した魚達が、動きを変える時を読むことが出来れば、釣りの組み立てが一層楽しくなるだろう、と思うわけです。
↑こちらは遡上魚。
いつ、どのタイミングで、どのタイプと出会えるか? 更には、どんな流れで、どんな釣り方で?
これはテーマがかなり大きいので、とりあえず今年の早春は、居着き型アマゴの3年魚(年越し)を探していました。
水温む頃からは、やや移動性の高い魚が動き出し、その後は遡上魚も見え始めます。これらの多くは2年魚ですね。
近年、私の遊び場の地域で私が採る山菜に関しては、タイミングはほぼ計れるようになりました。20年くらい掛かったかな。
年ごとに幾らかの時期の前後があり、今では山の様子を見ると、どの山どの種が早いとか遅いとか、大体判別できます。暦とは違う、季節の巡りを知る、と言う事ですね。
山菜一本で山行することもありますけど、リュックに釣り竿を背負っていって、魚の反応を見る事と合わせてデータを取るのは、とても面白かったです。
それと昨年は、釣れた魚の「数」を意識していまして。・・とは言え、そんな凄い尾数を獲れた訳でもないんですけど(苦笑)。
それにやはり昨年も、山菜シーズンには山入りしてましたしね。
数値目標と言うより、狙いのタイプの魚に出会う為には、それ以外のタイプの居場所を見た方が良く。
例えば小型魚が何処から出たかを見ると、良型は何処に居るのか、とか。
遡上型が釣れたなら、その時居付き型は何処に着いてるのか、とか。
多く釣るほどに、色んな事が推察し易くなると考えた次第。ならば出来るだけ数を釣ろうと。
それで今春は、冬から釣り始めて以降、季節の進みと共に、何処にどのタイプが現れるか、その時の植物の芽吹きはどうなっているのか、そんなことを観察の主としました。
なので一日の釣りで、標高を上げたり下げたりして、本支流、同日に観察を続けています。
おそらく年月を費やしても、釣りと山菜に、関連性を裏付ける完全な答えはそうそう出ないでしょう。
しかしこのパズルに挑むような感覚が私は好きです。
前述のように春の山菜は終盤戦になり、これだけを狙うのなら今後は、かなり山奥に行かねばなりません。
でも私は盛期の渓流シーズンには、そこまではしないつもり。何やと言っても、やはり私の遊びの中心は渓流釣りです。それにあまりに標高が高いと植生が違って、山菜類が豊富なばかりではないですしね。
そろそろ梅雨入りの声が聞こえそうな今年。
今後も追い掛けたいテーマは沢山あって、楽しみが尽きません。
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