渓魚秋入り時期の釣り
朝晩涼しくなり、秋めいてきたこの頃。
釣り場選びが難しくなる季節です。
普段はあまりメインで入らない場所をセレクトしました。
アタリが出たので竿を煽ったら、まさかのアワセ切れ・・。
水中でもんどり打った魚は、余裕の尺上じゃありませんか。
何てこった? イトに傷があったのかな。悔しいが、気を取り直そう。
仕掛けを新品に張り直し、更に狙ったところ。
良型イワナが掛かりました。よしよし(さっきの魚より小さいけど・・)。
この様子なら、まだ出るのじゃないか。
しかしここからは、アタリがあっても掛からず、出ても当歳魚。
しばし場を休ませることに。
次のポイントで。
良い体躯&顔付き。まだ夏色の格好いいアマゴ。
色合いは夏でも、口先が尖り、秋のオスになりつつです。
この後、先のイワナポイントに戻り、立ち位置と狙うスジを変えてしばし。
今度はメスでした。
お腹が卵塊で膨らんでます。こちらも色合いは夏で、でも成熟しつつ、ですね。
先回の釣りで各所見廻り、渓魚の秋入りの状況を観察して。その感じから河川を選び、ここでは夏色渓魚がまずまず。
それで次の候補地へ移動したら、反応がキツく、選択失敗・・。
やはり河川ごとに状況が違います。魚が秋入りし始めて気難しく、時間帯や気象の変化もあり、私ではこれらの読みがどうにも。
この時期に、居るはずの魚に喰わせる技術力が足りないんだよな、って毎年同じことを。
当たりも外れも見ておけば、次の予想の材料になるから、良いのだ。と、目一杯の言い訳をしておきます(苦笑)。
でも時期ごとの魚の着き場所をどれだけ見付けられるかは、渓流釣りでは大事です。
今時期だと、移動モードの魚が止まり易い場所は、必ずしも捕食ポイントではない場合がある(・・と思う)。
外れ場所は見切り、更に移動。
移動中も楽しみがあります。
何がしかの収穫物を探すのは、それ自体が楽しく、季節の巡りを知るヒントにもなる。山菜キノコ採取を「釣行の一部」と私が認識する所以です。
気温が下がってきて、秋のキノコ本番が近い。その頃には渓魚が秋色に染まります。これらが自然界では同時進行なんですね。今はまだ、夏キノコが頑張っていますが。
ミズの実もそう。
これが出る頃、その地域のアマゴの秋入りが始まるようです。
魚にも他の何にも、地域差と個体差がありますから、見ておいた方が良いなと。
婚姻色の出始めた遡上タイプ。パー割れが確認できます。
この魚はちょっと「してやったり」で。
ある好ポイントで、イワナばかりが続けて釣れたのを見て、急遽ポイント移動して出会いました。イワナ達にヒントを貰った感じでしたね。
「ここにイワナが着いてるなら、〇×な場所ならアマゴが出るんじゃ?」って。
良かれと思い、移動して正解になることも、外すこともあり。
今時期は、外れの出現率が私は高め(汗)。なので当たると素直に嬉しいです。
ちなみに、↑先のアマゴ達も、パーマークが一部縦割れしていました。これは移動性の高いアマゴに、夏頃からよく現れる特徴ですね。
このパー割れには、私は個体の観察対象として関心があります。おそらくこれは、魚の生まれ育ちと関係してますから。
居着き型アマゴだと、パーマークが割れずに縦伸びし、クッキリ・パーのままで婚姻色に。パー割れ個体はブナ模様になりますね。
こうしたタイプ違いの魚が、どんな状況でどうしたら出てくれたか、これを経験として集めるのが面白いです。
傾向はあっても、例外が必ずと言って良いほど現れて、渓魚の個性観察は興味尽きません。
イワナはアマゴとはまた違って、移動性の高い低いは、体表の具合や腹部の色に現れたり。
この個体はその意味ではやや移動性の低い、居着きの良型イワナ。
アマゴより産卵期が遅いので、婚姻色の出たイワナは、シーズン中には中々出会えません。
今年は釣行ごとに本支流、色んな場所を廻ってきました。
そのお陰か今のところ、猛暑の時期も、秋入りの今も、運良く魚達に出会えています。・・とか言ってると、そのうち撃沈喰らうかもですけど(笑)。
ただしダメなポイントは夏以降は本当に厳しくて。例年、お盆明け~9月に入る頃に、苦戦の釣りになりがち。
これは釣り方も大事ですけど、個体差と地域差を読めるかが、かなり重要じゃないかなと。
「釣りたい河川」か、「釣れそうと予測できる河川」か。
「好きな釣り方」か、「釣れそうな釣り方」か。
ある程度の状況把握と予測はしますが、私の場合は、最初に入ったポイントで反応を見てから、その後の釣りの展開を考えます。その為に、事前に複数の候補地を計画に入れて、最初に入るのは「一番良さそう」と考えた場所。
「好きな河川で、好きな釣り方でジャンジャン釣れる」なら最高ですが、そうは甘くないですのでね。
「良さそう」な場所を選ぶのは、蓄積したデータであり、学んだ知識であり、経験からの勘みたいなものも、何でも総動員です。
今回はこの時期にしては楽しい釣りでした。
本格的な秋に入れば、アマゴ達の喰いが今より更に低下傾向になるでしょう。
自然条件と魚の居場所と釣り方の予測で、残りのシーズンが楽しめたら良いなと想います。
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