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2022年9月

2022年9月28日 (水)

2022’ 渓流最終釣行・後編

2日目、

初日(前編)の感触から、候補地を考えました。

 

・・・・・・

 

好ポイントが連続する区間。

しかし昨日と同じく、無反応が続く。一通り攻めて、稚魚以外のアタリ無し。厳し過ぎないかい??

 

選択失敗かな・・ちょっと心折れそう。

諦めるか・・でも納得いかないので、戻って再挑戦することに。

 

 

その際流れの中に、まずまずのサイズのアマゴが見えた。

やっぱり居る。

 

仕掛けを調整し、立ち位置も変えて攻め直したら、ようやくアタリ! ・・しかし空振り・・・・。

 

だけど、ヒントが手に入った。

立ち位置をまた変えて、攻める。

 

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やっと出たアタリにアワセると、尺上イワナが。

細身だけど、良型に届いた。ありがとう、出てくれて。

 

 

・・・・・・・

 

更に狙うと。

 

小さく、でもはっきりしたアタリが、竿先から伝わる。

アワセた次の瞬間、掛かった魚が下流に猛ダッシュ!

 

来たね!

 

下には行かせない、と体勢を取ろうとしたら、乗っていた石が崩れて、まさかの転倒!?

 

ヤバいヤバいヤバい、早く早く!

竿を持ち直したら、ハリは外れてない。

 

転倒時にテンションが無くなって、魚はそのままそこに居た。

もう一度竿を絞ると、今度は上流ヘダッシュ!

 

凄い元気だ。だけど今度は体勢は十分。下流を取ればこっちが有利。

偶然にも、転倒したことで、魚との位置関係が入れ替わった。

 

 

重いな。これはデカいぞ。

 

なりふり構っていられない。川の中に立ち込み、もう下がらせまいと、竿を曲げて耐える。

緊張と興奮でドッキドキ。息が上がり、膝が震えそうになってる。

落ち着け、持久戦なら大丈夫だ。

 

 

徐々に抵抗が弱まり、魚が浮いてきた。

 

噛み付きそうな顔が見える。緊張の一瞬!

 

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よぉぉっしゃ、獲った!!

 

いやいや、よくぞ出てくれた!

諦めなくて良かった~。

 

昨日の魚より、更に体高のある魚体。

秋の魚にしては珍しいほどに、パワーとスピードを感じる魚でした。「ありがとう!!」と大声が出ます。

 

さっきまでがあまりに静かだったので、竿に乗った感触が最初は信じられなかったほど。

 

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顔付きも色合いも、サイズも申し分なし。

この魚は嬉しい。釣りが厳しい時ほど、1尾の印象が強まります。

 

昨日今日と、厳しい日に連続で当てられて。場所選びも釣り方の工夫も、満足感ありです。

 

 

 

自分で散々攻めた区間を、更に狙います。すると。

 

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婚姻色のメス♀。

 

・・・?

さっきまで、良型の気配が薄かったのに、どうしたこと?

 

 

これは秋には特にあり得ることで、「時合い」かなと。

一日の中に何度か、そうしたタイミングがある気がします。

この時合いを読む為に、あらゆるヒントを探すのですが、私には非常に難しい。

 

 

 

紙一重。

泳ぐアマゴを目視しなかったら、諦めて移動したかもしれない。(でも見えたアマゴには相手にされず・・)

 

今回は粘って粘って結果が出ました。同じ区間を行ったり来たり、手を変え品を変え。

自分が先行者みたいなもので、何か違う事をしないといけません。

普段だったら、立たないだろう位置に立ってみたり、やらないだろう事を試したり。

それが今回はタイミングと合致した、のかなと。

 

たまたまかも知れません。でも先程まで無反応だった区間で、連続で良型が出た。見切るが正解か、粘るが正解か、今回は後者でしたね。

釣り方の工夫もで、普段やらないだろう釣り方がハマった、今後に繋がる好感触です。

 

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思い返すと、今年はこの「戻って釣り直す」で、何度も好釣していました。

時間帯が違うと魚の反応が違う。これは多分確かで、何尾か自分で釣った後の場所でも、別の魚が出てきたりします。

では何故に最初に釣れなかったのか? 時間を空けて、何が変わったのだろうか?

 

 

ちなみに、転倒時に脛を岩に打つけて、後で見たらアザになってました。

でも釣りの最中もその後しばらくも、痛みは全く感じません。アドレナリン効果、でしょうね。

 

 

 

この後は、気になってた場所を何ヵ所か探り。

これにて本シーズンは納竿です。

 

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全体的には厳しい釣りでしたが、こんな魚達に出会えたら、もう言うこと無し。

 

 

良いシーズンでした。

沢山の魚にも、自然の移ろいから様々なものに出会え、学ばせて貰えました。

 

また来年もそれ以降も、楽しんで行こう。

感謝の気持ちで終えられた、素晴らしい最終釣行でした。

 

 

 

 

 

2022’ 渓流最終釣行・前編

最終幕は一泊二日です。

今回は前編・後編の二部作。

 

 

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深夜から車を走らせると、道中、ウサギを4羽も見ました。これだけ出会うとは、珍しい。吉兆だと良いな。

 

山奥が冷え始めて、エサを摂りに降りて来たのかも。

 

 

・・・・・・

 

淵に通る白波の流芯。

 

右岸側は反応なし。

次は左岸を狙い、少しづつ位置をズラして打っていく。

 

 

ほんの小さなアタリが出た。

一瞬間を置き竿を煽ると、幅広の魚体が翻った!

 

首を振りながら、そのまま流れに乗って、下っていく。

下流は荒瀬、落とすとマズい。

やや強引に竿を絞り、動きを止める。しかし深みから出た魚は最初の走りですでに淵尻の肩にいて、下へ下へと行こうとしている。ここは勝負だ。

 

 

デカいな。

 

これは上流に泳がせるのは厳しい。

魚を止めつつ、自分がその下流側に移動。

 

流芯に魚を誘導し、水流に乗せて一気に寄せる!

 

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よぉぉ~し、獲った!!

 

出てくれたね~、婚姻色の鼻曲がり。

 

寄せる際の厳つい顔付きは、何度見ても一瞬緊張感が増します。

そして取り込んだ際の安堵感と嬉しさが。

 

 

 

朝一番のこと。

最終釣行の〆には、上出来。

ありがとう。この魚に出会えたら、さして未練なく竿を納められます。

 

美しさと格好良さを備えた魚体。プロポーションも良し。

 

 

撮影して、サッとリリース。

後で「サイズ見てない」と気付きました。まぁ、良い魚だった、それで十分。

 

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後は今年何度か入った場所や、お気に入りポイントに挨拶して、今シーズンはお仕舞いで良い。

 

 

挨拶とか言いながら、竿は出します。まだ朝だし、追加の魚も狙って行こう。

 

そんで2尾目の秋色を掛けたものの、バラシの大失態。好印象のうちに、止めときゃ良かったな。などと(笑)。

 

 

掛け損ねて姿が見えた魚もいて。

〆で良いとか考えたくせに、悔しいもんだから、何とか獲れないかと頑張りましたが、ダメ・・。

最後の最後まで手強く、楽しませてくれます。

 

 

楽しいのは確かですけど。

9月最終は、釣りはマコトに難しくて。反応あるだけ良い方。

よくぞ朝一番には出てくれた。日中なんか、まるで捕れる気がしないくらい厳しい。が、魚は絶対に各所に入ってるはず。

で、頑張ると、たまにポロッとアタって、でも逃げられたり・・。

何とか尺クラスのイワナが一本出てくれましたが、こちらはまだ夏っぽい個体でした。

 

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道中にキノコや山菜を集めるのは、最終釣行でも変わらず。

厳しい釣りに集中しろよ、とは思うのですけども。

 

シーズンを通して山渓の自然を観察し、そこから釣りを考察するのは、とても面白いです。

 

今年は秋入りが早かったのですが、その後は冷え込みが緩やか。つまり季節が足踏みしている。

こうしたことは、キノコ類には顕著に出ますね。秋のキノコの発生がやや止まり気味です。

 

 

 

キノコの発生を毎年見ていると、どんな場所にどんな気候で、出る出ないがある程度は分かってくる。

これはその日までの条件の移ろいを現わしていますから、私はそこから魚の動きを予測します。・・それが中々当たらないですけども。

とにかく、外れても何でも、思い付く限り数撃って、傾向を探してるのですね。

 

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経験から、季節進行は秋の渓流釣りに影響が大。

降雨後に冷えるか、暖かくなるか、これは魚の動きに関係している(多分)。夏までとは、違う見立てが要るのじゃないかな。

 

良いタイミングなら、夏までと同じように釣っても、秋の魚は出てくれたりします。ところが大抵はそうではなくて。

降雨で魚が動くのは確かですが、秋の釣りには水が増えたら良いとは限らず。また、朝夕マズメのような、分かり易い時間帯が当たるばかりでもない。

気温水温の低下が始まると、秋モードに魚が変わるのですが。それも個体差があって、方程式は見当たらないんですよね。

何かありそうで掴めない、オバケを相手にしてる様な秋の釣り。

 

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もう繁殖行動が済んだアマゴも居ました。

居着き型ですね。婚姻色が失せかけています。

これらの中に、産卵後も生きる個体が含まれているはず。画像の個体はおそらく3年魚なので、ここまでかも。また来春、再会出来ると良いな。

 

 

四季折々、魚達も周囲の自然も、刻々と姿を変えています。

これらを見て、知って、知識として重ね、釣果に繋げていくことが、どうやら私の考える「上手い釣り」になるようです。

 

状況判断からの選択がタイミングに合って、釣り方の技術が乗ると結果が出る、と思うんですね。私はここを追求したい。

 

 

 

初日を終えて。

朝一は奇跡なのか偶然なのか、ガッチリ掛けた。

いや、場所選びと釣り方は良かった、としておこう。

しかしその後がよろしくない。状況は大体分かったが、明日はどうしようか?

 

 

 

 

2022年9月21日 (水)

息子の竿納め・秋色狙い

計画外の、9月親子釣行でした。

色々と学生も大変そうで、息抜き?になれば良いなと。

 

息子は婚姻色の大物(♂)を釣りたいらしい。そう簡単ではないですが。

何にしても、息子は今年最後の渓流です。

 

 

・・・・・・

 

あるポイント。

 

右岸側から徐々に打っていき、立ち位置を変えて左岸側ヘ。

 

多めにイトフケを出し、底掛かりスレスレくらいに送り込んだ仕掛けに、重みが乗った。

 

 

底石を噛んだ? いや、違う。

アワセをくれると、くすんだ体色の魚がもんどり打った!

 

 

よぉーっし、出たね! 

 

下流の瀬に入られると、ちと厄介。 

すぐさま少し下流側に移動して、ヤリトリ開始。

 

 

しばしして、魚体が浮いてきた。

水面を割るその時に見える、魚の顔付きと色合い。

緊張と興奮の取り込み!

 

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獲った!!

 

無事に取り込めて、喜びに頬が緩みます。

 

 

 

下流で釣っていた息子を呼び、「出たよ~!!」。

 

どうだい? 秋色は格好いいな。

こうやって魚を観察し、親子で語らう時間も良いものです。

 

やっぱ、ここらに居たんだ。今回はゴメン、私の方が出会えたよ。

 

我ながら、場所とタイミング(気候&時間帯)の読みは上手いこと当たってくれました。これは私の経験からの判断。息子が少しでも今後に参考にしてくれたら嬉しいです。

 

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この魚に出会う前に「ワンチャンあるかも」な場所に入りましたが、撃沈。この「あるかも」な可能性の判断が、私はよく外れるんですね・・。

何処打っても、それらしき反応がなくて、狙いの魚が居ないんじゃないかと思うくらいでした。こりゃ厳しいなと。

 

予想を外した時、それは判断の誤りなのか、対応力不足なのか。多分両方、かな。

当たる時は当たるのですけどね。出会いの確率をもっと上げたいところです。

 

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秋の渓流釣りは、厳しいことが多い。魚が中々口を使ってくれなくて、数型揃えるのは難しい季節です。

まして禁漁前の連休中、釣り人がドッサリ来て、プレッシャーはとても高い。

 

 

秋に限らず、狙いの魚の気配が乏しい時。

それでも粘って結果が出れば、その感動はずっと記憶に残ります。

 

ですがやっと出た反応を取り損なうこともあり、これまた忘れられません。また、悔しい目を見ると、いつか上手く行った時の喜びも大きくなります。

苦労した方が感動するし、嬉しいんですね。

 

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色目の濃い居着きイワナも。

今年出会ったイワナの中では、お気に入り度が高め。

 

これは婚姻色のように見えました。日陰の魚よりも、もっと赤茶けたような色彩。

この他にも数尾、ややサビたようなイワナが出て、秋の装いを始めたのかなと。

 

小淵の流れ込みの脇の、小さなスポット。「こんな場所にこの魚が」って感じで、掛かった時はビックリ。

これまた印象に残る魚です。私は出会えた魚の姿形もですし、意外性があると印象が深まります。

 

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息子は最近はルアーがお気に入り。

思うように釣れないようですが、頑張ってます。

 

やっと反応した秋の良型が取れず、悔しがってました。

これは私も見ていまして、淵の中ほどで、婚姻色の魚が僅かの距離、ルアーを追いました。そして2度と出てこない。

 

 

まず反応を出せた。では次はどうする?

今シーズンは残念だけど、また来年以降に挑戦だね。(実は私の方も、せっかくの秋色の反応を2度もハズしました・汗)

 

息子は秋にしては幾つかの魚が見えて、厳しいなりに楽しかった様子。

いつか狙いの魚に届いたら、もっともっと嬉しい時間になることでしょう。

 

 

ところで、確証の無い話ですが。

ルアーを追う秋色渓魚は多分、エサ釣りでも反応するんじゃないかなと。

ガン無視の魚は、余程でない限り、釣法が何であっても難しい気がします。ルアー有利とかエサ有利とか、そう言う問題では無いような・・?

 

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私は釣りをしつつ、キノコを探したりはいつも通り。

 

今シーズンここまでに、山菜キノコの発生と、自然の季節の移ろい、それと魚の動きを観察してきましたが。

キノコも植物も、魚の居場所も動きも、もう今は完全に秋。

後は冷え込みにより、残り僅かな渓流シーズン中に、どんな変化があるか?

 

まだ夏を引いてる地域もあるでしょうから、別の観察も出来ますが、私の中では今年の季節の追跡は釣りにおいては終わりました。

今後は季節の変化の観察は、キノコ採りに向かいます。

 

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ツキヨタケ(毒)を見付けました。

シイタケと間違う誤食事故が多いそうで。

今回のツキヨタケは、遠くからのパッと見、シイタケぽく見えなくもなく。あらためて私も気を付けねば、です。

 

 

 

息子は学校のことなどが忙しそうで、一緒に遊びに出るのは止めておこうと思ってたのですけども。

やはり行って良かった。

楽しい時間が出来たこと、良い魚達に出会えたこと。

今回も渓に感謝です。

 

 

 

 

 

 

2022年9月13日 (火)

厳しい秋の釣り

いやはやキツい日を引きました。

先回の釣りで、想像以上に秋が進んでいたので、今回はその続きで秋探索です。

言い訳ですけど、気候から釣り辛い条件だろうとは考えてました。

 

 

反応の出方がもう。

秋特有の、小さく短い、非常にアワセ難いアタリが出ます。盛期のスレたアタリとも違うんですよね。

タイミング次第では、ガッチリ掛かるのですけどね。秋反応には毎年頭を悩ませます。

それでも反応があるだけヨシで、好ポイントで何も起こらないなんてザラ。

 

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アマゴたちに散々嫌われて、でも優しい良型イワナが出てくれたり。

そのイワナの反応も鈍くて困る・・。こんな日の一尾はホッとします。

 

 

先回は秋入りが顕著で、今はどうも季節進行が足踏みしてる感じ。

 

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キノコたちの発生にさほどの勢いがありません。幼菌が少ないですし(今回の場所では)。

それでも確実に山に秋が来ていて、見られる種類が夏から切り替わっています。気候の変化にキノコは敏感ですからね。

 

 

残暑を引く今、雨後の一時は涼しく、晴れれば日中は気温が上がります。

河川の水量が増え、その後落ち着くと、秋は魚の反応が辛くなりがち。盛夏以降は水量もですし、水温の上下で魚の動きが大きく変わるように思います。良い方のタイミングに自分が合わせるのがマコトに難しい。

 

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概ね、山渓の様子は予想通りでした。

そして予想以上に魚の反応が遠い・・。

 

 

予測があるなら何で、そこに釣りに行ったんだ?って話なんですが。

ポジティブな方の予想もあったんですよね。

季節は足踏みしつつも秋が深くなって来れば、そのことで動く魚が居て、移動の出鼻に当たれば、この時期ならではの好釣になる事があるかも、と。先回の釣りが、予想も含めて好感触だったのでね。

 

 

上手いこと釣れると、一つ謎が解けたような感覚が得られます。それで喜んでいると、条件違いになるとまたしても、解けない問題が出てくる。同じ日、同じ条件はないので、それはそうなんですけども。

当たりの方の確率を上げたくて、手持ちのあらゆるアイテムを総動員して読むのですが、今回は当てられませんでした。正確には、予想は概ね合ってたけど、その状況に応じた釣りの力が不足でした。

 

 

「ここは居るでしょ!」なポイントで、しばし粘るも、アタリなし。

諦めて移動しようとしたら、水中に良型が泳ぐのが見え、やはり無視されてたのか・・とかありました。

この時は魚が見えましたけど、普段でも多分、同じことがそこら中で起きてるんですよね。悔しいが、狙い目はまるで見当違いではない、としておこう・・。

 

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外れたとはいえ、良型イワナには出会えたことだし。

 

手応えとして、秋進行が現地を見る前に予測できたのは良かったかな。細かい事は現地を見て確認しないと、ですしね。

 

季節を知る目安としても追っている山菜キノコは、時期の収穫物でもあり、こちらはまずまず集められました。

 

 

もう次の釣行の予測は始まっています。天候と気温の移ろいから、次回はどこでどうして釣ろうか。

そんな事を考えているのも楽しいものです。

 

 

 

 

 

 

2022年9月 7日 (水)

秋・季節進行と魚の動きを読む

増水気味の渓。

白泡の立つ淵の、端の方から順番に打っていく。

 

波立ちで川底は見えない。

仕掛けを調整し、深めに探った時。

 

 

「重み」が竿から手に伝わってきた。

一瞬間を置きアワセを入れると、魚が落ち口に突進!

 

 

掛けた!! この感触、間違い無く良型。

 

川底を伝うような泳ぎ。だがイワナじゃない。これは秋の魚だ。

 

 

しばし白波の中でヤリトリして、体力を奪う。

 

チラリチラリと赤黒い魚体が見える。

 

頃合いを見て、波気から浮かせて寄せる!

 

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よぉぉっし! 獲った!!

 

9月初頭でこの成熟度。この時期にここまで進んでいるとは、予想外でした。

魚体の感じは、最終形態まであと一歩、でしょうか。

 

 

ありがとう、今年も婚姻色の魚に出会えた。秋にしか見られない、魚体の色合いと雰囲気。

これは嬉しい。独特の感動が成熟した魚にはあります。「やったぞ!」って声が出てしまいました。

 

 

血眼で追い掛けていた秋色渓魚。

でも私は釣りの狙いとして、以前ほどには意識しなくなりました。

 

出会えると嬉しい。しかし繁殖を控えた成熟体をそっとしておきたい気持ちもありで、ちょっと複雑。最近は後者の想いが強くなってきた、かな。

 

さっと撮影して、リリース。元気な子孫を沢山残してくれよ~!

 

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早い年だと、お盆明けあたりから婚姻色を帯びる個体が現れます。

が、秋色の魚は居ても中々出会えなく(釣れなく)て、存在が確認し難いんですよね。

それでも今は少しばかりでも、それが読めるようになりました。(あくまで少し)

 

 

8月から9月頭くらいまで、夏キノコのチチタケが多く出る山があるのですが、今年はお盆明けで発生が止まりました。雨が降った割に、終わりが早いな?

猛暑は引きずらなかったし、もしかして、秋が早いのかも。と考え、ある渓を探ってビックリ。

 

そこでは魚達が秋準備を整えてました。勿論、魚には個体差があります。同じ渓にも、まだ夏色の魚も居ることでしょう。

 

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イワナも釣れますが、こちらはまだ姿の変化はないです。それでもこれだけ季節が進んでいれば、動きは変わってきていて。

夏以降のアマゴやイワナは、それまでの季節のような釣り方では、反応しないことが増えてきます。

 

 

某釣り名人の言葉。

「ある川は釣れる、でも別の川は釣れない。

 と言う人は、いつも同じ釣り方をしている。

 それでは釣れたり釣れなかったりするのは当たり前。」

 

これは川の違いもですし、季節や条件にも言えますね。

確かにその通りで、私は釣れたり釣れなかったり・・。自分なりに工夫はしてるのですけどね(苦笑)。

 

 

 

秋色アマゴ狙いなら、当たり河川で通すのもアリですけど、移動しました。良い魚に出会えた事だし。他の場所の状況も見ようと。

 

増水傾向は何処も同じく。

お盆明け頃からは、雨ごとに涼しくなります。

移動先の魚は、先の渓よりは秋が浅い感じ。河川ごとに状況が違うのは、秋口は顕著ですね。

 

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こちらもイワナが増水で元気。

夏痩せから回復中の魚達が、良型混じりで出てきてくれました。

 

 

先の話で言うと、居そうなポイントに仕掛けを通しても、何も起きず。

あれこれと釣り方を工夫して、やっと反応が出たり。その見極めが難しくて、時間が掛かります。

 

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細身の遡上型。肌色がくすんできてます。

このタイプはおそらく、黒ずんだ婚姻色になりますね。

 

 

先の渓と同様、今回の好反応は波気のある淵。

浅い瀬は当歳魚が入っていて、これまた今はそっとしたい感。

 

 

淵が良いとなっても、ダメな時はダメ。

そんな釣れない時の言い訳を少々。

 

秋の成熟個体がポイントに陣取ってる場合、タイミングが合わないと、中々口を使ってくれません。

未成熟でも、移動モードの魚も難しい。

それをどうするか・・?

 

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ここでは秋キノコが始まってました。少し夏キノコも残ってます。

ハナイグチなどイグチ類。これらが発生するなら、やはり気候は秋。秋キノコが本番になると同時期、アマゴの繁殖行動の始まり。それは間もなくやってくる。

 

 

今シーズンは時期ごと地域ごとに、山菜&キノコの発生と、渓魚の動きを観察してきました。

前々から、これら自然界のものたちの連動性というか、山渓の季節進行を見てきて。

 

朧げながら、「釣りを予測する材料」が幾つか見付かった手応えがあります。これが先に書いた、「読み」が今までより少し利くようになった部分。

水中の魚は釣り上げるまで状態観察するのが難しいですが、陸上のものたちは、季節の巡りを教えてくれます。

 

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私の釣りの技術自体は、そんなに大したことはありません。

でも。同じ渓釣りのフィールドで、食用植物を探すことには、少々自信を持っています。

その季節ごとの知識が、ようやく釣りの考察とリンクし始めた、といったトコロ。

 

 

 

記事では飛ばしましたが、良さそうと思い移動した先で、完全無反応の撃沈を食らったりもしてました。

状況が読めても、それで釣果が出ない事には、自分の判断が正解とは言えず。

それに不慣れな地域では、例年の状況も、その時までの季節進行もすぐには見えないし、何処でも通じる考察の完成はかなり遠そうです。そう簡単じゃないからこそ、良いんですけども。

 

 

難しい状況を打破する知恵と技術のバリエーションも欲しい。それらを意識しつつですが今は、判断力を上げる方に注力してます。

これが私には大層面白いんですね。釣ることだけでない山渓の楽しみを追うことは、結果として渓魚の状況理解にも繋がります。それに旬の食材の採集は、それ自体が楽しみですしね。

 

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秋色の魚に出会えたことで、今シーズンも一つ達成した感じもします。これで〆ても良いくらい。もう禁漁になっても、安心と言うか?

 

これからは釣果も大事ですけど、竿が出せる期間内は、構築中の考察を深めて行きたいなと。

 

残り一ヶ月を切った渓流を、楽しく釣りたいと想います。

 

 

 

 

 

 

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